Little Glee Monster manakaに聞く、ソロプロジェクト cat march始動の背景 グループへの思いも明かす

リトグリ manaka、ソロプロジェクト始動の背景

ソロでは自分が聴いて「いいな」と思う声を活かせるような音域を追求したい

――もう一方の「good」は?

manaka:今年の頭に作りました。最初はもっとこもった感じだったんです。自分のデモの音をそのまま使ってもらっている部分もあるんですけど、これはアレンジで投げて、どんな風に返ってくるのかを見てみたいなと思って。アレンジをお願いするのが初めての体験だったんですけど、Momさんの曲を聴いたときに感じたときめきみたいなものを、自分が作った曲にぎゅぎゅっと詰め込んでもらえたことにすごく感動しました。

――アレンジをMomさんにお願いした理由も聞かせてください。スティーヴ・レイシーもMomさんもiPhoneのGarageBandでトラックを作る人だから、好きなものは繋がっているなと思いますが。

manaka:自分が好きなものはいつも繋がってるんですよね。去年、Momさんの「カルトボーイ」を聴いたときに、なんだこれ! ってめちゃめちゃときめいたんですね。私、同世代で、しかも、同じ日本で活動しているアーティストの方でここまでときめくような体験ってあんまりなくて。本当に何年かに一回ぐらいなので、こんなに面白いことをしている同世代の人がいるんだって。本当にただただ曲を聴いているファンだったので、面識もないままお願いさせてもらったんですけど、どうしてもMomさんが、自分の作ったものにどういうスパイスを加えてくれるのかっていうのを見たかったんですね。

――何かリクエストは伝えたんですか?

manaka:リモートで“初めまして”をして。そこでお話をしたかったんですけど、時間もあまりない上に、画面越しで話すと、対面とは全く違うじゃないですか。私もすっごく緊張してしまって。ディティールはなるべくしっかり伝えようと思っていたんですけど、なかなか難しくて。

――アレンジを受け取ってどう感じましたか。

manaka:Momさんにお願いしてよかったって思いました。Momさんが感覚的に面白いと思ったものを入れてもらえれば私はすごく嬉しいなと思っていたので、めちゃめちゃわくわくする体験をさせてもらいましたね。

――2曲とも割とローファイなR&Bでメロウなグルーブになってますが、これからもこのジャンルを追求していく、というわけではない?

manaka:そうなんですよね。「dreamer」を出すことが決まったので、「good」を選んだんです。本当は来年からスタートで良かったんですけど、私がどうしても、年内に発表したと同時に自己紹介みたいな感じでサクッと聴いてもらえるようなシングルを出したいって言って出すことになって。だから、色的に似たものを2曲選んだという感じですね。来年は多分、「あ、こういうのもやるんや」みたいな、ディープなものもやっていきたいと思っているので楽しみにしてもらいたいです。

――ボーカリストとしてのアプローチについても聞かせてください。リトグリは明るく元気で、パワフルに歌い上げて背中を押すエールソングというイメージが強いですが、cat marchでは歌い上げずに抑制されたボーカルで、リラックスしてスロウダウンするようなチルウェイブ寄りの歌い方になってますよね。

manaka:そこも含めて全然違うんですよね。もっともっと柔軟に歌を歌えるようになるためにも、ソロでは歌いあげずに作品を作ることは、きっと両方にいい作用が働くんじゃないかなとは思います。

――第一弾からして声のニュアンスが違いますよね。

manaka:ソロは自分が聴いて「いいな」と思う自分の声を活かせるような音域やメロディを追求したいと思っているので、これからも変わっていくと思います。ただ、ハモは個人的にも好きなので、ソロでもコーラスは使っていきたいですね。正直、普段は歌い上げるようなアーティストを聴くことが滅多にないんです。もともとソロを動かす前から好きで聴いていたものはディーヴァみたいなタイプではなくて。ソロでは、歌い上げるとか高音っていうよりも自分の声を良いなって思ってもらえるような作品にしたいという感じです。

――また、今回はアートワークやMVもご自身で行っていますよね。

manaka:このソロプロジェクトは、私自身がやりたいことを立ち上げたスペースなので、グループを応援してくれている方にはそれを行動で示さないとなと思っていて。だから、作詞作曲はこれからも絶対両方ともやるというのは根底にありつつ、アートワークやMVも全部自分がやりたいことがあるっていうことをちゃんと示すためにも、まずは一人でやってみることだなと思ったので、「どちらもやります!」って言ってやってみました。

――「good」の映像はどんなイメージで作りましたか? これもサウンドやジャケットと同様にコラージュになってます。

manaka:こういう色々な絵が詰め込まれているものが好きで、まず、かわいいなって感じてもらえたら嬉しいです。この曲の雰囲気を映像で表すことによって、より読み取ってもらえるような流れになればいいですね。チャーミングな素が映るようなかわいらしさも詰めつつ、ちょっと不気味なものも好きなので、かわいいだけじゃなくて「おやおや?」みたいなのも組み込めてたらいいなと思って。

――不気味なものが好きなんですか? それも意外ですけど。

manaka:音も不思議なものや映像が浮かぶような音楽にしたいと一貫して思っています。かわいいだけじゃなくてその中に正反対なものがある音楽やビジュアルがすごく好きなので、やっていきたいですね。

――〈相反する/光の中/答えのない気分〉という歌い出しにも繋がっていますよね。

manaka:そうですね(笑)。なんかもう、そういう人間なんです。真逆のものをいかにうまく面白く調和させられるかっていうのが好き。歌詞も、デモを書いていたとしても。「どっちを歌ってるの?」っていうことがすごく多いんですね。ここの一文だけ今の自分に刺さることとかってあるじゃないですか。そういう風に自由に聴いてもらえたらいいかな。今日楽しみだなっていう予定の日ってすごくわくわくすると思うんですが、「good」も「dreamer」もそういうときに聴いてほしいですね。

――ソロプロジェクトが動き出したばかりですが、今後はどう考えてますか。

manaka:たった2曲の段階でも、一緒にやりたかった人とやれて。Momさんもそうですし、ミックスは小森(雅仁)さんにお願いしました。小森さんも自分が聴いていた作品のクレジットにいつもいらっしゃる方なので、自分がいつか音楽でかかわりたいなと思っていた方に、自分が作った作品でかかわってもらえるのはすごく嬉しいことなので、どんどんこの輪を広げていけたらなって思っています。

――最後に、改めて、リトグリのファンにメッセージをお願いします。

manaka:リトグリでは第一線で活躍する国民的なアーティストになりたいっていう思いがメンバー全員にあって。何気なくつけたテレビとか、見ようとしてなくてもそこにいる存在になりたいし、これからもグループとしてもっともっと大きくなっていきたいなと思います。その傍らで、ソロでは自分が好きなこと、音楽に絡んだMVやデザインも自分自身でやりつつ、そこに共感してくれる人も見つけられたらいいなと思っています。両方やっているから得られる視点は絶対にあると思うので、どちらかが欠けるのではなくバランスよくやっていきたいし、どちらも楽しみにしてもらえたら嬉しいです。

『good / dreamer』

■リリース情報
『good / dreamer』
2021年12月15日(水) Digital Release

■More Info
https://www.instagram.com/lgm_manaka_official/ 
https://twitter.com/im__mnk

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