大橋ちっぽけ、バイラルチャート急上昇 軽妙なアレンジで歌い上げる、混じり気ない愛のメッセージ

 そんな、さまざまな遊び心が詰まったアレンジがしっかりひとつの楽曲としてまとまりを成しているのは、楽曲テーマがぶれない強固なものであるからだろう。「常緑」というタイトルにも表されている“生命力あふれる純粋でストレートなラブソング”という根幹のテーマが強度の高い屋台骨となっている。歌い出しの〈どうして君のことを想うと/唇から歌が溢れるんだろう?/今日まで生まれてきたラブソング/すべて君のためにあるかのよう〉から、サビの〈端的に言うとね、君の全部が愛おしい/離れないでよ 逸らさないでよ/君のためだけの僕がいるんだ〉、そしてラストライン〈灰になるまでキスをしていよう/君と常緑を〉まで徹頭徹尾、混じり気のない100%の愛のことばが綴られている。

大橋ちっぽけ「常緑」Music Video

 楽曲全体を俯瞰すると、重く単調で一面的になってしまいかねないリリックのテーマと、それを軽やかで立体的に立ち上がらせているアレンジの絶妙なバランスが見えてくる。このバランスこそ「常緑」を特別な1曲にさせている秘訣なのかもしれない。「常緑」に耳を奪われた方は、ぜひミニアルバム『you』を聴いてほしい。大橋ちっぽけの魅力を360度さまざまな角度から感じることのできる多彩な楽曲が詰め込まれたミニアルバムだ。

※1:https://lp.p.pia.jp/shared/cnt-s/cnt-s-11-02_2_7d2f4d62-8ccd-47f4-8313-5d6b630f093d.html

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる