関ジャニ∞、NEWS、LiSA、DISH//、PEDRO……11月17日リリースより新譜5作をレビュー

 “ダークな官能”と称すべきサウンドメイク、激情や深い悲しみをダイレクトに響かせるボーカル、そして、絶望的な状況にぶち当たりながらも、夜明けを信じて運命に立ち向かう姿を描いた歌詞が一つになった「明け星」。壮大なコーラスと鋭いギターフレーズに導かれ、クラシカルなストリングスを含んだバンドサウンドとともに、〈僕らはきっと何度でも/優しさも悲しみも/白銀の刃に変える〉というフレーズを解き放つ「白銀」。TVアニメ『鬼滅の刃』無限列車編のOPテーマ、EDテーマを収めたニューシングルは、“LiSA×梶浦由記”による刺激的なケミストリーを存分に味わえる作品となった。いまや日本を代表するコンテンツとなった『鬼滅の刃』の音楽的な成果を象徴するアイテムと言えるだろう。(森)

LiSA 『明け星』 -MUSiC CLiP-(テレビアニメ「鬼滅の刃」無限列車編 オープニングテーマ)
LiSA 『白銀』 -MUSiC CLiP-(テレビアニメ「鬼滅の刃」無限列車編 エンディングテーマ)

 DISH//のニューシングル『沈丁花』の表題曲は、「僕らが強く。」に続く、はっとり(マカロニえんぴつ)とのコラボレーション楽曲。北村匠海とはっとりのスタジオセッションから生まれたこの曲は、The Beatlesをはじめとする古き良きUKロックの香りと、日本のフォーク感をたたえたメロディが溶け合うミディアムナンバー。マーチング的なビート、合唱を取り入れたアレンジ、“ゆっくり自分らしく進もう”というメッセージが響き合い、聴く者の心をしっかりと持ち上げてくれる。さらに初回生産限定盤Aには「ありのまんまが愛しい君へ 」「Shout it out」、初回生産限定盤Bには「B-BOY」、通常盤には「揺れてゆく」と、いずれもメンバーが作詞・作曲を手がけた楽曲を収録。クリエイター集団としてのDISH//の魅力を体感できる作品に仕上がっている。(森)

DISH// - 沈丁花 [Official Video]

 12月22日の横浜アリーナ公演をもって無期限活動休止となるPEDROの3rdアルバム『後日改めて伺います』は、10曲すべてがアユニ・Dの作詞・作曲。穏やかな諦念と、それでも生きていく決意を綴った「人」、田渕ひさ子(Gt)の爆音オルタナギターとともに退廃的なメロディが鳴り響く「魔法」、心地よいバンドグルーヴがポップで軽やかなボーカルを際立たせる「安眠」、グランジを想起させるロックナンバー「いっそ僕の知らない世界の道端でのたれ死んでください」、耽美な旋律、〈どうか楽しく生きて、まださよならはしないで〉という祈りを込めた歌詞が共鳴する「おバカね」など、ソングライティング、歌、サウンドメイクを含め、バンドとしての独自性をさらに強く示す作品だ。(森)

PEDRO / 吸って、吐いて [OFFICIAL VIDEO]

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