木村拓哉の魅力は俳優のみにとどまらない ソロアーティストとしての素晴らしさ

 思い返すとSMAP時代からも、自身の表現について徹底的に考え抜いていたと感じる。だからか木村の歌唱は楽曲のフックとなることが多かった。特にBメロを歌った時は、楽曲の魅力を最大限に引き出すことが多かった。例えば「夜空ノムコウ」や「オレンジ」のBメロでは、力強い声質ながらも切なく感情豊かな歌唱で、サビに向けての感情の高まりを表現していた。他のメンバーの歌唱の癖や声質、楽曲の性質のバランスを考えて、自身の表現に昇華していた。グループ時代の音楽経験を、しっかりソロになってからも生かしているのだ。

 2022年1月19日には待望の2枚目となるソロアルバムが発売される。今作もMAN WITH A MISSIONやCreepy Nutsのような現在の音楽シーンを引っ張るアーティストからの提供や、山下達郎と真島昌利による共作という意外な組み合わせの楽曲があったりと、期待が高まる。きっとこの期待にもしっかり応えてくれるのだろう。今までも期待に応え続けてきたスターなのだから。もしかしたら音楽活動を控えていたのではなく、より良い作品作りのために時間をかけて準備していたのかもしれない。

 アルバム特設サイトには「自分自身が今、伝えたい気持ちをアーティストの方々の視点をお借りした楽曲という形で表現し、ひとつのアルバムとしてお届けできることは、僕にとって大きな喜びです」と本人のコメントが綴られている。ソロ活動では、より音楽によって想いをダイレクトに伝えることができるようになったのだろう。衰えることなく進化を続けているのだ。きっとグループ時代にも引けを取らない存在感を、これから音楽シーンでも見せていくはずだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる