女性アイドルの“駅名間違い”はなぜ起こり続けるのか? トラブルを楽しむファンの寛容さにも注目

アイドルの“駅名間違い”なぜ起こり続ける?

 2022年1月1日で営業を終了するライブハウス、Zepp Tokyo。国内外のアーティストによる公演を数多く開催してきた同所だが、一方でアイドル界にとっては珍事の引き金的な場所としても知られている。Zepp Tokyoでのライブに出演するために最寄りの一つである青海(あおみ)駅へ向かうつもりが、約50キロ離れた青梅(おうめ)駅へ到着してしまう、というものだ。

 この駅名間違いはアイドル界で年に数回発生するほど定番化。ちなみに青海駅はお台場、青梅駅は青梅市にあり、電車でも約2時間かかるため、ほとんどの場合は間違えると取り返しがつかなくなる。

電車を用いた際の”青梅駅”から”青海駅”までの一般的なルート

「青海」と「青梅」の駅名間違いで『タモリ倶楽部』出演

 青海駅と青梅駅を間違える出来事がクローズアップされたのが、2018年11月27日。HIGHSPIRITSの小室あいかが誤って青梅駅へ行ってしまい、Zepp Tokyoでのライブに参加することができなかった。そのことを報告するツイートが反響を呼び、ニュース番組などでも取り上げられた。

 同年7月には全力少女Rの佐藤絵里香(現在はグループ解散)も同様の間違いを起こしており、ふたりは翌年4月『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)の“青梅と青海 間違えすぎ問題”回に出演。小室は、最初から青海を青梅と勘違いしており、Zepp Tokyoへの行き方を調べる際に“青梅”で検索してしまったと説明。佐藤は路線の予測変換で「青」を調べたところ、青梅が先に出てきたことからそのルートを利用。到着してすぐに「おかしい」と気がついたそうだ。

 2018年はほかにもAdFicTioNのSANA、ORIE(現在は2人とも卒業)が青海と青梅を間違えてしまい、出番10分前になんとか到着(その模様の動画はグループの公式Twitterアカウントに掲載されている)。また同年以前にも、2016年にR-Village GirlsのMEI(グループは活動休止中)、2010年にスマイレージの前田憂佳(現在は芸能界を引退)がそれぞれミス。前述の佐藤絵里香は、元AKB48の姉・佐藤由加理から「私もAKB時代にやったことがあるよ」と明かされたという。

豆柴・ハナエモンスターも駅名間違いを告白

 2021年10月には、お台場で開催の『TOKYO IDOL FESTIVAL 2021』に出演するJYA☆PONの宮古莉奈、海老原みあが青梅へ向かってしまったことを公式アカウントが報告。さらに同月、BANZAI JAPANの筑後ののかがライブ出演のため横浜市の新高島駅へ行かなければならないところ、東京都板橋区の新高島平駅へ着いてしまう新しいパターンも発生。豆柴の大群・ハナエモンスターはTwitterでその関連記事を引用して「うわ、私もやったやつだ」と投稿し、前歴があることを告白した。ちなみに変わったところでは2020年12月、FES☆TIVEの青葉ひなりがライブ会場場所の豊洲を立川と勘違いする事態もあった。

 こういった現象について、自身もアイドルグループで活動しているタレント・ぱいぱいでか美は、2019年5月4日オンエア『有吉反省会』(日本テレビ系)で「青海と青梅を間違えるのは地下アイドルあるあるだけど、寝坊の言い訳と言われている。一流の子が駅を間違えるのは分かるけど、泥水をすすって活動しているようなやつらは電車に乗れなきゃ何も活動できない。これだけ間違えるアイドルがいるんだから、東京テレポート駅(Zepp Tokyoの別の最寄り駅)で待ち合わせろと思う。だから私は(駅名間違いは)絶対に信じない」と辛らつなコメント。

 しかしこれはアイドルに限った話ではない。2014年にはランニングイベント『COLOR ME RAD TOKYO』の配布パンフレットで、開催地の青海を青梅と誤表記する出来事が発生。主催側は開催前日に訂正文をメールで送るなど対応にあたったが、結局は参加者の一部が青梅に足を運んでしまい、話題となった。

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