AI、仲間たちと歌うことを楽しんだ『IT’S ALL ME』最終公演 20周年のフィナーレにAwich、¥ellow Bucksも登場

AI、Awichら登場した『IT’S ALL ME』最終公演

 ともに音楽を奏でる仲間、シンガーとしてときに道を交わらせる仲間、そして全国から集まり、また全国で視聴する仲間。様々な仲間の存在とその繋がりを音楽で提示した、AIの20周年ツアー『IT’S ALL ME』。11月1日、東京国際フォーラムにてファイナル公演が開催された。

 低音のビートが会場を揺らし、ステージを覆う薄い幕に青い光が降り注ぐ。幕が取り払われバンドとAIが登場し、感慨深げに「東京!」と呼びかけると拍手が巻き起こった。オール生音の本編1曲目に披露したのは「I Wanna Know」。表情豊かなバンドとともにふくよかな歌唱で心を掴む。余裕のあるたっぷりとした歌唱から一変、ラップではリリックをクールに紡ぎ、冒頭からシンガーとラッパー双方としての実力を発揮した。ストリングスカルテットによる演奏から「VOICE」へ。バイオリンが手拍子を促し、アコギの音色が歌をシンプルに彩る。楽曲に溶け込みながらも強い印象を残すキックは、踏みしめて歩くようなイメージをもたらし、語りかける歌詞を補強しているようだ。〈みんなが幸せになればいいのに〉とときに笑顔をこぼし歌い上げるAIはオーディエンスとの距離感が近く、オーディエンスもリラックスして楽しんでいるように見えた。

 すぐさまカウントが鳴り響き「Not So Different」へと続く。コーラス隊と重なる歌声がパワフルな演奏と混ざる。この日、AIは何度も「伝えたいことは曲で歌ってるから」と語っていた。AIのメッセージは歌詞によってストレートに描かれており、感情は音によって表現された。

 「来てくれてありがとうございます。今日はもうありがとうしか言えないかも」と挨拶を挟むと「2曲続けて新しい曲をやります」と「HOPE」から「ギフト」へ。やるせない気持ちを救いあげるように歌う「HOPE」では、軽やかなストリングスが日々の小さな幸せを祝福するように弾む。紡ぐ歌声は祈りのようでもあった。

 老若男女幅広いオーディエンスが集まったこの日、小さな子供が泣くなどの出来事にも反応したAI。方言を交えた喋り口も相まって親近感が生まれるMCは会場に温かさを生んだ。「次の曲はこのバンドに任せたらセクシーな感じになっちゃって」と言うと、落ち着いたハイハットとベースに、ワウが存在感を醸すギターとバイオリンが加わって大人な「My Friend」が続く。成熟した演奏に、時間を経るからこその楽曲の成長を感じ、20周年という節目に自然と思いを馳せる。落ち着いた雰囲気のまま「Believe」へとつながると、AIはコーラスとともに芳醇に歌い上げた。

 ライブはAIの朗らかなMCとともに、メンバー紹介も踏まえた小編成パートへと突入。ピアノとともに演奏されたのは「Music Is My Life」。自らを反映させた歌詞に熱がこもる歌声を、ピアノの音色が優しく、そしてゆるぎなく支える。ストリングスとコーラスも加わるとさらにAIの歌はヒートアップ。小編成とは思えない、むしろ小編成だからこそ強調される歌の力強さは音楽とAIの密接な距離を反映している。アウトロではバイオリンとピアノの掛け合いが歌に負けない鋭さだ。

 「この人が来たら安心」と紹介されたのはマサ小浜(Gt)。落ち着いていながら安定感と存在感のあるギターさばきで「LIFE」を奏でる。一転してギターソロでは速いストロークで楽しませ、盛り上がりの波を作ってAIに打ち返す。楽しげな音のやり取りにオーディエンスも拍手で加わった。

 AIが「ヤバい人と出会ってしまった」と語った大神田智彦(Ba)とは「ママへ」を披露。ベースが落ち着いた低音で支えたかと思えば強い抑揚で存在感を見せる。楽器が低音を占める分、コーラス含めたボーカルが縦横無尽に炸裂した。

 「性格もよくてプレーもいい」とAIが評したのはケニー・モズレー(Dr)。繊細かつパワフル、そしてユーモアも備えたドラムソロののちにストリングス以外のバンド編成で「キラキラ」を披露。シンガロングからのドラムソロで迎えるフィナーレの幸福感。AIの紡ぐ世界の大きさに圧倒される。

 「みんながみんな英雄」で一体になると、コーラスの2人を「100人分の声を出してくれてる」と紹介。カルテットとして紹介を受けた4人が「最終宣告」を指弾きから演奏すると、AIは大興奮の姿を見せ、会場からは大きな拍手が巻き起こった。



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