ケプラ、TikTokで話題の楽曲がバイラルチャート急上昇 君と僕の距離感を大切に歌うラブソング

 軽快なテンポと、覚えやすくフレーズの如く短いメロディの繰り返しという、TikTokで拡散される楽曲の最大の特徴を踏まえながらも、甘酸っぱく瑞々しい楽曲、少したどたどしいが柔らかいボーカル、決してうまいとは言えないかもしれないが一生懸命に丁寧に演奏しているバンドアンサンブルが、個性になっている。ティーンエイジャー特有の刹那を感じさせながら、憂うことなく、そこを謳歌しているような印象である。

 歌詞は、“僕=自分”と“君”が登場し、2人だけの様々な日常のワンシーンを紡いでいくラブソング。面白いのは“僕”と“君”の距離感を大切に表現しているところだ。「これからのこと」の歌詞は“僕”と“君”の登校のワンシーンから始まるが、その様子を〈当たり前のように楽しくて〉〈充実しすぎてる毎日が/時々不安になります〉と綴った後、〈たまには僕らも距離を置く事が/必要なんでしょ?〉と“不安”を具体的に描写している。楽しさが永遠に続くわけではないことを知りながらも、永遠に続くように相手を慮っている姿、お互いがずっと楽しい関係でいられるように距離感を測っている様子が伺える。このような “僕”の人となりまで想像させるところはお見事。ある意味、「今の時代の理想の男性像に当てはまるのかも」「だから拡散されているのかな」なんて久々に恋愛について考えた今週のバイラルチャートでした。

ケプラ / これからのこと(Lyric Video)

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