ケプラ、TikTokで話題の楽曲がバイラルチャート急上昇 君と僕の距離感を大切に歌うラブソング

参照:https://spotifycharts.com/viral/jp/weekly/latest

 Spotifyの「バイラルトップ50(日本)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top 50チャート」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたプレイリスト。同チャートを1週間分集計した数値の今週分(10月28日公開:10月21日~10月27日集計分)のTOP10は以下の通り。

1位:INI「Rocketeer」
2位:ケプラ「これからのこと」
3位:INI「Brighter」
4位:BoyWithUke「Toxic」
5位:Justus Bennetts「Bad Day」
6位:EVADE FROM 宇宙「フライト 日 ’89 (FRIDAY) 」
7位:meiyo「なにやってもうまくいかない」
8位:Girls Planet 999「O.O.O (Over&Over&Over)」
9位:23「Pink Soldiers」
10位:The Walters「I Love You So」

 夏の終わりから初秋にかけ、案山子「真生活」の登場がトピックとなったバイラルチャートだが、この数週間はトップ10内に国内外のアーティストや、ゲームのサウンドトラックからの曲がランクインするなど、混戦になっていた。そこに大きな動きが現れたのが先週。圧倒的な強さで1位・2位を独占したINIは今週もトップを飾ったが、2週連続1位・2位独占にまでは至らなかった。そこを阻んだのが、今週2位にランクインしたケプラ「これからのこと」である。

 ケプラは2020年9月に結成された現役高校生4人組バンドだ。2021年7月に、5曲入り1stミニアルバム『デイズ オブ ユース』、8月に2曲入り1stシングル『シャラリ』をリリースしている。興味深いのは、前述した2作品をCD盤としてもリリースしていることだ。冒頭で触れた案山子もそうだったが、コロナ禍の影響でデジタルリリースが主流になりつつあった中、あえてCD盤もリリースするという形態を鑑みると、Z世代と呼ばれるデジタルネイティブ世代の“音源に対する価値観”に、何かしらの変化が出て来ているのではないかと思わずにいられない。これはあくまで筆者の憶測だが、もしかしたら、数年前にインスタントカメラ“写ルンです”が、若い世代の間でちょっとしたブームになったように、懐かしいものへの愛着でCD盤をリリースしているのかもなどと思ったりする。

ケプラ / シャラリら(MUSIC VIDEO)

 「これからのこと」は、前述した1stミニアルバム『デイズ オブ ユース』収録曲だ。10月3日付のバイラルデイリーチャートに初登場して以降、確実に順位を上げ、ついに今週トップ3入りを果たした。この曲は11月初頭現在、TikTok内「人気上昇中のサウンド」で、なにわ男子をおさえトップになっている。また、楽曲冒頭の〈「裸のまま鳥にでもなって/世界を旅したいな」って〉という歌詞に合わせて、手振りで踊る「#踊ってみた」動画が数多く投稿されており「鳥になりたいダンス」と銘打たれ“人気上昇中”のマークがついている。今まさに、どんどん拡散されている楽曲だ。

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