HAN-KUN、J-POPへのリスペクトとレゲエへの愛 名曲カバーに挑戦する理由

HAN-KUN、カバーアルバムを作る意義

カバーへの挑戦はみなさんの生活のなかにレゲエが流れるチャンスでもある

ーーレコーディングにはジャマイカのミュージシャンも参加しているそうですが、コロナ禍になって、制作のスタイルはかなり変化したのでは?

HAN-KUN:すごく変わりましたね。一時期は人と接するのが難しかったし、スタジオに入れる人数も制限されて。前回のオリジナルアルバムもそうだったんですけど、今回のカバーのボーカルは、すべて自分の家のスタジオで録ったんです。そのぶん一人で向き合う時間もたくさんあったし、それはこれまでの制作と一番違うところですね。ジャマイカのミュージシャンとのやり取りもめちゃくちゃ大変でした。前作もそうなんですけど、カバーアルバムのシリーズはそもそも、“本物のレゲエと日本の歌謡曲の融合”がいちばん大きいコンセプトで。前回はジャマイカに行って、コーディネーターさんに手伝っていただきながら、現地のミュージシャンの目の前でやり取りしながら作ったんです。今回はそれができなかったんですけど、そのぶん、現地の仲間ががんばってくれて。「オリビアを聴きながら」「元気を出して」「奏(かなで)」(スキマスイッチ/2004年)のバンド演奏、「ハナミズキ」(一青窈/2004年)、「I LOVE…」のキーボードとギターもジャマイカのミュージシャンが演奏してくれてるんですよ。しっかりジャマイカの血を取り入れることができたのはうれしかったし、やれてよかったと思いますね。

HAN-KUN - 「元気を出して」 リモートセッションビデオ

ーーHAN-KUNさんは毎年のようにジャマイカを訪れていたので、こういう状況になって寂しさもあるのでは?

HAN-KUN:もう2年行ってないから、ちょっと街並みを忘れかけていますね(笑)。ジャマイカもコロナの影響をめちゃくちゃ受けていて、最近も“No moving day”(移動禁止)の日が週に3日あるんです。結局、週末の買い出しで密になってしまうので、国民からはかなりクレームが出てるみたいですけど。

ーー“年に1回ジャマイカに行って、しっかりインプットする”というのがHAN-KUNさんのルーティンだったわけで。それができないのは、制作にも影響がありそうですね。

HAN-KUN:本当にそうなんです。こっちで悩んでいても、ジャマイカに行けばすべて解消できていたし、1年に1回戻ることで“その間に成長しなくちゃいけない”というモチベーションにもつながって。そろそろ近づけたんじゃないか? と思っても、実際に行ってみるとまた離されてるというか、絶対に超えられない先輩みたいな場所なんですよ。今も「次に行ったときは必ず驚かせてやる。“やるじゃん”って言わせたい」という気持ちはあるし、そういう意味ではジャマイカへの思いは変わってないんですけど、さすがに2年あいてしまうと、現地のトレンドや温度感が分からなくなってきて……。アンテナの感度も下がってる気がするし、ヤバイなって思っています。情報だけではなくて、肌で感じることって大事ですからね。

ーーそういう状況のなかで、ジャマイカのミュージシャンとともにカバーアルバムを作れたのは一つの成果ですよね。

HAN-KUN:そうですね。名曲を歌い継ぐこともそうだし、その力をお借りして、レゲエを聴いてほしいという気持ちも強いんですよ。レゲエというジャンルを知らなくても、名曲のカバーだったら日常的に聴いてもらえると思うし、それはみなさんの生活のなかにレゲエが流れるチャンスでもあるので。自分から「すごいことやってるんだぜ」って言うつもりはないけど、自然と「いいものはいいな」と感じてもらえたら嬉しいですね。

ーーコロナ禍の制作を通して、得られたものもあるのでは?

HAN-KUN:さっきも言いましたけど、音楽と向き合う時間が増えたのはよかったと思います。スタジオワークも増えているし、制作にも集中できていて。以前は毎週のように地方でライブをやって、そのなかでクリエイティブな脳みそをキープしてたつもりなんですけど、今はしっかりスタジオで楽曲を形成してから、それを他の人たちと共有していて。そのぶんクオリティも上がっていると思うし、曲が完成するのも早くなってますね。早くできればいいってものではないけど、自分がやりたいことをしっかり共有できているのはいいことだし、このご時世だからやれているのかなと。

ーーオリジナルアルバム『UNCHAINED』、EP『未来へのかたち』、カバーアルバムと去年からリリースも続いてますからね。今も制作は継続してるんですか?

HAN-KUN:はい。自分の作品もしっかり目的を持って作っているし、近いうちに次の作品もお届けできると思います。湘南乃風の制作もやっているんですよ。自分のソロワークも湘南乃風チームの一つだと思っているし、20周年を見据えながら進んでいきたいですね。

HAN-KUN『Musical Ambassador II ~Juke Box Man~』Juke Box

■リリース情報

『Musical Ambassador II ~Juke Box Man~』
2021年11月3日(水)リリース
通常盤2,750円(税込)  
初回盤4,620円(税込)初回盤スリーブ仕様

収録内容
【通常盤CD】
「Intro ~Juke Box Man~」(by Ranking Joe)
「オリビアを聴きながら」(作詞作曲:尾崎亜美)*オリジナル:杏里(1978)
「元気を出して」(作詞作曲:竹内まりや)オリジナル:竹内まりや(1988)
「バンザイ ~好きでよかった~」(作詞作曲:トータス松本)*オリジナル:ウルフルズ(1996)
「つつみ込むように・・・」 (作詞作曲:島野聡) *オリジナル:MISIA(1998)
「LA・LA・LA LOVE SONG」(作詞作曲:久保田利伸)*オリジナル:久保田利伸(1996)
「WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーヴメント~」(作詞作曲:小室哲哉)*オリジナル: H Jungle with t(1995)
「ハナミズキ」(作詞:一青窈 作曲:マシコタツロウ)*オリジナル:一青窈(2004)
「奏(かなで)」(作詞:大橋卓弥/常田真太郎 作曲:大橋卓弥/常田真太郎)*オリジナル:スキマスイッチ(2004)
「Story」(作詞:AI 作曲:2 SOUL)*オリジナル:AI(2005)
「あなた」(作詞作曲:Hikaru Utada)*オリジナル:宇多田ヒカル(2017)

【初回盤CD】
通常盤の11曲にボーナストラックとして「I LOVE…」(作詞作曲: 藤原聡)*オリジナル Official髭男dism(2020)
が収録されます。

【初回DVD収録内容】
HAN-KUN AR LIVE 「UNCHAINED」 (2020.11.29 @SUPER DOMMUNE)
<収録曲>
「INTRO ~ UNCHAINED ~」
「Red Alert 」           
「New Era」
「Revolution」          
「Rub-a-Dub Lover」             
「It Haffi Bun」       
「Roots&Future」
「Jamaica」
「Forever」
「Melody of Love」
「Love It」
「Sunshine Love」   
「Summer Vibes」   
「Mr.Turban」           
「あなたに」  
「夏のエトセトラ feat.キヨサク」(MONGOL800 / UKULELE GYPSY) 
「TO-KE-TE」
「じゃない」  
「よろしく」  
「DE-KI-RU」
「Okay」   
「Brighter Future」   

■関連サイト
Musical Ambassador II特設サイト:http://han-kun.134r.com/topics/musical_ambassador2/
OFFICIAL WEBSITE:http://han-kun.134r.com/
Universal Music HAN-KUN WEBSITE:https://www.universal-music.co.jp/han-kun/
YouTube:https://www.youtube.com/user/hankunofficial/featured
HAN-KUN Twitter:https://twitter.com/VOICEMAGICIANjp
HAN-KUN Instagram:https://www.instagram.com/voicemagicianjp/
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