EXILE History 第5回
EXILEの20周年を振り返る 第5回:14人体制のスタート 大胆な決断が生んだEXILE TRIBEの原点
同じ志を持つ14人は全員一致で「Someday」をリード曲に選び(※6)、同曲を含む新体制での第1弾シングル『THE MONSTER ~Someday~』(2009年4月15日)は、メンバーの想いに突き上げられるように大ヒット。その後もEXILEは、新体制での初の全国ツアー『EXILE LIVE TOUR 2009 “THE MONSTER”』を回りながら、31stシングル『THE HURRICANE ~FIREWORKS~』(2009年7月22日)や32ndシングル『THE GENERATION ~ふたつの唇~』(2009年11月11日)といったヒット作を発表したが、作詞を手がけたATSUSHIが「'09年のEXILEのテーマ曲」(※7)と語るように、2009年末に発表された『第51回日本レコード大賞』でも「Someday」が大賞を受賞している。ちなみに、7thアルバム『愛すべき未来へ』(2009年12月2日)初回限定盤に収録された「Someday(こどもバージョン)」のMVには、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEの砂田将宏がATSUSHI役、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEの藤原樹がTAKAHIRO役で出演しているほか、今もアーティストとして活躍するメンバーがキッズダンサーとして多数参加。ここでもEXILEの未来を照らす才能が芽吹いていた。
そんな2009年には、EXPG初の海外校である台北校も開校。EXILEの中には、2006年より“ダンスを共通言語に世界を知る”をテーマとした世界規模のダンスプロジェクト「DANCE EARTH」を行ってきた、ÜSAのようなメンバーもいるが(※8)、LDHの海外進出が目に見える形となったのは、おそらくこの頃からだろう。
2010年には、EXILE初のスタジアムツアー『EXILE LIVE TOUR 2010 FANTASY』が開催。全国10カ所22公演110万人を動員した本ツアーは、圧倒的な規模感や感動的なパフォーマンスで多くの観客を魅了した。先日「CL」の1周年を祝して行われた『LDHファン感謝祭 CL24』や『EXILE20周年記念SP企画』でも、“みんなで思い出ライブ鑑賞会”と題して、EXILEメンバーや当時キッズダンサーとして出演していた後輩達が『EXILE LIVE TOUR 2010 FANTASY』を鑑賞する模様が配信されるほど。炎天下の中、魂をぶつけ合ったあの夏の記憶は色褪せることなく、10年経った今でも“伝説のツアー”として語り継がれている。
また現在、10周年のアニバーサリーイヤーを行っている三代目 J SOUL BROTHERSが誕生したのも、2010年のこと。HIROに指名されたNAOTOとNAOKIは、EXILEの一員として活動しながら、新グループ結成に向けてメンバー探しをしており、その結果、劇団EXILEとして活動していたELLYと山下健二郎、NAOKIの紹介で三代目のオーディションを受けた大学生の岩田剛典がパフォーマーとして選出。そこに『EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 2 ~夢を持った若者達へ~』から選出されたボーカルの今市隆二と登坂広臣が加わり、7人組のダンス&ボーカルグループ、三代目 J SOUL BROTHERSが始動した。11月10日にシングル『Best Friend's Girl』でメジャーデビューを果たすと、EXILEとの兼任メンバーとなったNAOTOとNAOKIは、両グループのスケジュールに追われるように。2011年にはEXILEのデビュー10周年を祝うプロジェクトも控え、ますます多忙を極めることが予想された。しかし、2011年3月11日、あの大震災が日本を襲うーー。待ち望んだ祝祭の時は思わぬ形で奪われてしまうのだが、EXILEはまさに“太陽の輝き”のような楽曲によって、再び日本を明るく照らしていくのだった。
※1:https://youtu.be/UkxChs9RkJo
※2:https://hochi.news/articles/20201127-OHT1T50152.html?page=1
※3:http://tvfan.jp/?p=1051761
※4:https://goetheweb.jp/person/article/20160204-exile
※5:『超特別企画「中目黒 えぐざいるすごろく」後編』
※6:http://www.pia.co.jp/interview/103/index.php
※7:https://m.ex-m.jp/static/discography/exile/album/aisubekimirai/index
※8:https://www.cinemacafe.net/article/2013/06/10/17480.html