BTSが伝え続ける可能性と希望 国連総会でのスピーチと「Permission to Dance」パフォーマンスで果たした役割

「新しく始まる世の中で、お互いに“ウェルカム!“と言えたら良いと思います」

 BTSが9月20日、米ニューヨークで開かれた国連総会特別行事「持続可能な開発目標(SDGs)モーメント」開会セッションに出席。未来世代と文化のための大統領特別使節として、スピーチとパフォーマンスを行なった。

BTS Shine Spotlight on the United Nations as Envoys of the President of the Republic of Korea

 「私たちは今日、未来世代の話を伝えようと来ました」。リーダーのRMの挨拶から始まったメンバーのリレー演説は約6分半。全世界の10代、20代がこの2年間どのように過ごしてきたのか、その声に耳を傾け、共感し、同じように感じた一員として言葉を紡いでいく。そんなふうに準備をすることができるのも、世界各国にARMY(ファン)がいるBTSならでは。

 「入学式、卒業式が取り消しになったということも聞きました。人生で必ず記念したい瞬間であっただろうにすごく残念で悔しかったことでしょう。私たちの場合は準備したコンサートツアーが取り消しになって悔しい思いをもしましたし、やり遂げたかったことをしばらく恋しく思ってきました」と明かしたJUNG KOOK。

 J-HOPEが「気候変動が重要な問題ということはみんな共感しますが、どうするのが最善の解決方法だと話すのは本当に容易ではありませんでした。決めつけて話すには難しいテーマのようです」と語ったように、これはすぐに解決とはいかない難しい話題。しかし国連総会という大きな舞台に立ちながらも、いつものコミュニケーションと変わらぬ様子で語りかける彼らの言葉によって、自分ごととして身近に感じた人も少なくなかったのではないだろうか。

 誰も知ることのできない未来に向けて、どのように生きていくのが正解なのか。自分たちで考え、答えを探し出していくのだとRMは続ける。なかでも、Vが「私たちの未来に対してあまり暗く考えないほうがいい。私たちが主人公の話のページがしばらく残っていますが、エンディングが決まっているように話してほしくありません」というポジティブなメッセージも印象的だった。

 先の見えないことに対して、私たちはついネガティブに考えてしまいがちだ。“知らない”、”わからない”ということに対して、人はひどく臆病になる。ときには、自分自身を守ろうと攻撃的になることさえある。もちろんリスクに向けて対策は必要ではあるものの、必要以上に暗く考えてしまうのは、新しく踏み出す足をすくませてしまうもの。「世の中が止まったと思いましたが、少しずつ前に進んでいます。すべての選択は変化の始まりだと信じます。エンディングではなくて」と、RMが日々を憂い下を向きそうになる私たちを勇気づけてくれた。

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