BTSが伝え続ける可能性と希望 国連総会でのスピーチと「Permission to Dance」パフォーマンスで果たした役割
そして、BTSが今できることだと信じたこと。その答えの一つが「Permission to Dance」のパフォーマンスだ。この夏、ファン参加型のダンスチャレンジ企画『Permission to Danceチャレンジ』を実施。世界中のARMYから寄せられた動画でひとつのMVを完成させたことも記憶に新しい。
そんな彼らが、今度は国連本部をステージに歌い踊る。身を包んだスーツは、サスティナブル(持続可能)を追求するアップサイクリングブランドのものだという。どんなものを手に取るか、一つひとつの選択が、未来を作っていくということを示したかったのではないだろうか。
その姿は、まさに祈りのパフォーマンスだった。古代より人は舞踊で自然への感謝や穏やかな環境への願いを表現してきた。社会が豊かになるにつれて、自然への祈りから人々の心を奮い立たせるエンターテインメントとしての側面が強くなっていったが、その根源の部分は変わらないように思う。世界が少しでもいい方向に進んでいくように。変化に怖気づくのではなく「ウェルカム!」と言ってこれからを歩いていく世代に。「Permission to Dance」は、自分たちで選択し、一歩踏み出すことが必要なこれからの世代の応援歌として響き続けるに違いない。
とはいえ、新たな一歩には様々な意見が飛び交うのもまた事実。BTSのもとに届く声も絶賛するものだけとは言えない。9月22日にアップされたV LIVE動画では「最初は、BTSって歌手なのにお前たちが言って何をするんだって声もすごく多かったけど、正直僕たちは全部わかっててそういう役目で来たんです」とSUGAが語り、「僕たちの影響でたくさん見ていただけたなら、僕たちの役割は果たしたと思います」とJINも続けた。
様々な角度からの声があってこそ、世界はカラフルに輝くもの。そして、その声は関心を持つことからスタートする。BTSは今、世界の大きな問題を私たちの目の前にまで届けてくれる力を持ち、その影響力を最大限に活かせるように奮闘している。その姿そのものに、私たちは大きな可能性と希望を感じるのだ。「可能性と希望を信じれば、予想外の状況でも、道に迷うのではなく新しい道を発見するようになる」と。彼らと共に、よりハッピーなエンディングを目指して、私たちのストーリーを続けていきたい。