IU『夢色パティシエール』主題歌、BTS「Permission to Dance」……K-POPを軸にTikTok独自の流行を追う
中国発祥のSNSであるTikTokだが、日本や韓国のアイドル/アーティストがTikTokでの“バズり”を重視することも珍しくなくなってきた。TikTokで流行したことからヒットに繋がるケースが、最早定番化してきたからだ。実際に新曲をリリースした際には、「#曲名+チャレンジ」と題して、TikTokのユーザーにダンス動画の投稿を募るといったプロモーションも、今では多くのアイドルが行なっているだろう。主に簡単な振り付けを用いて動画を撮影・投稿できることから人気を博したTikTok。TikTok内でバズる楽曲は新譜にとどまらず、最近では懐かしの名曲もユーザーに好まれる傾向にある。今回はその中でもK-POPを軸に、最新のTikTokの流行をピックアップする。
日々様々な動画が投稿されていく中で、注目を集めるのはそう簡単なことではない。しかし、IUの楽曲はTikTokで使用されることが多く、現在も「내 꿈은 파티시엘(私の夢はパティシエール)」や「Celebrity」といった楽曲がTikTok内ではかなりの人気音源だ。日本はK-POP好きの若者が多いだけあって、K-POPの音源は日本人と韓国人の両方のユーザーに好まれている傾向があるように思う。
「내 꿈은 파티시엘(私の夢はパティシエール)」は、日本で放送されていたアニメ『夢色パティシエール』が韓国でも放送されていた際に、主題歌として起用されていたものである。今から11年前にリリースされたものであり、IUも当時はまだ新人歌手だったが、思わぬタイミングで同楽曲が再び脚光を浴びることとなった。アニメ自体が女児向けであるということもあり、キャッチーで可愛らしい楽曲である。同楽曲を用いたダンスチャレンジは、K-POPアイドルの文化の中でもファンからの人気が高い“愛嬌”が盛り込まれている。Stray KidsやNCT DREAMなどの人気グループが、公式TikTokアカウントでダンスチャレンジを投稿しており、ファンから大きな反響を受けていた。同楽曲には、歌唱を担当したIUの崇高で透明感のある歌声があることで、可愛らしくなりすぎないことが、大衆を惹きつけた要因の一つのようだ。
同楽曲のみならず、IUの楽曲はTikTokとかなり親和性が高い。IUが今年リリースした「Celebrity」も、TikTokで聴く機会が多い。主にイントロ部分の音源に合わせ2人で可愛らしい振り付けを踊る動画が数多く投稿されている。同楽曲のチルでアンニュイなサウンドの雰囲気とは異なり、歌詞では作詞を担当したIUの価値観が美しく表現されている。歌詞の意味を知って、さらに楽曲を身近に感じ、好きになるというのも、TikTokならではだろう。