乃木坂46、ポルノグラフィティ、ドリカム、リトグリ、渋谷すばる……9月22日リリースより新譜5作をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は9月22日リリース作品より、乃木坂46『君に叱られた』、ポルノグラフィティ『テーマソング』、DREAMS COME TRUE『次のせ〜の!で -ON THE GREEN HILL-』、Little Glee Monster『re-union』、渋谷すばる『2021』の5作品をピックアップした。(編集部)

 乃木坂46が28作目のシングルをリリース。表題曲「君に叱られた」では4期生の賀喜遥香が初めてセンターを務め、21人の選抜メンバーがパフォーマンスに参加した。楽曲のテーマに据えたのは「気付き」。恋人の思わぬ一面に触れ、戸惑いながらも〈プライドなんかどうでもいいよ それより僕は 君に叱られて嬉しい〉と、一層思いを深めていく様子を綴っている。これまでにも「I see…」「Out of the blue」などを提供してきたyouth caseが手がけた曲調は、疾走感がありつつもキラキラとはじけるようなサウンドメイクが印象的。サビで聴かせる一糸乱れぬユニゾンに、結成10周年を迎えた彼女たちのグループとしての進化が見えるようだ。なお、本作を最後に高山一実、寺田蘭世が卒業を発表している。(渡部)

乃木坂46『君に叱られた』

 2019年にメジャーデビュー20周年を迎え、東京ドーム公演を開催。その後、岡野昭仁、新藤晴一がそれぞれのソロのクリエティブに入った途端にコロナ禍に襲われた。この先、ミュージシャンとして何ができるかを考え、少しずつ行動に移してきたポルノグラフィティは、“新始動”を宣言した。その最初のアクションが新曲「テーマソング」のリリースだ。岡野が作曲、新藤が作詞を手がけたこの曲は、生楽器とエレクトロを融合させたサウンドのなかで、〈ともに行こう 拳あげて 誰のためでもない This is all my life〉というフレーズを高らかに歌い上げるパワーソング。アーティストとしてはもちろん、一生活者としての葛藤や悩みを経験したからこそ伝えられる、真摯で生々しいメッセージがここにある。(森)

ポルノグラフィティ『テーマソング』document movie(Full ver.)
 

 吉田美和、中村正人が出演した「お〜いお茶」のCMソングに起用された新曲「次のせ〜の!で -ON THE GREEN HILL-DCT VERSION」は、30年前に中村が制作したゲーム『ソニック・ザ・ヘッジ・ホッグ』のサントラの1曲「Green Hill Zone」の一部を使用した楽曲。ソニックが緑の丘を駆け上がるシーンのために作られたメロディが、30年の時を経て、2021年のドリカムナンバーとしてよみがえったというわけだ。ストリングス、ホーンを交えた華やかなオープニング、心地よく飛び跳ねるトラック、大らかなメロディラインは、リスナーの気分をナチュラルに上げてくれるはず。特に〈ヒトユメ フタユメ 数えてイッポ ほら一緒に〉がもたらす朗らかで前向きなパワーは、先行きが見えない世界に暖かい風を吹かせることになるだろう。カップリング曲には“ヴァーチャル・ドリカム”のMASADO&MIWASCOをフィーチャーしたバージョンを収録。(森)

DREAMS COME TRUE「次のせ〜の!で - ON THE GREEN HILL - DCT VERSION」(Official Video)

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