乃木坂46 寺田蘭世、グループの光と闇を経験した8年半の歩み アンダーセンターで飾る有終の美
乃木坂46の寺田蘭世が、グループからの卒業を発表した。その発表は、9月22日にリリースされる28thシングル『君に叱られた』特典映像として収録される『Documentary of Ranze Terada』予告編の中で、寺田の口から告げられたものだ。2013年3月、乃木坂46 2期生オーディション最終日に会場へと向かう寺田。「運命的な感じでしたね。アイドルやりたいとかっていうよりかは」ーーアイドルは好きだけど、乃木坂46はそこまで知らない。8年半前、寺田は何かに導かれるままに乃木坂46に加入した。
始まりは研究生だった。2014年4月に初めて開催されたアンダーライブがガラガラだったエピソードはファンの間では語り草となっているが、寺田はそのステージにすらも立つことができなかったのだ。その後、寺田は2015年2月に研究生から正規メンバーへと昇格。2期生の昇格組6人による「ボーダー」は、寺田が初めてセンターを務めた楽曲だ。17thシングル『インフルエンサー』で初選抜入りを果たし、さらに20thシングル『シンクロニシティ』と乃木坂46の2度のレコード大賞の受賞に貢献したメンバーの一人。最近では最後のさゆりんご軍団メンバーとしても記憶に新しいところだが、彼女の8年半の軌跡を語るとするならば、ドキュメンタリー映像でも示されているように、アンダーライブがその中心となるだろう。
乃木坂46とっての選抜とアンダーを例えるならば、光と影である。「光が強い程、影も濃ゆくなるように本当に大変なことも多かったです。」(※1)ーー寺田が自身のブログでそう綴っているように、舞台裏でのアンダーメンバーの涙と葛藤は我々には計り知れないものだ。ただ、はっきりと分かるのは、その影が濃ければ濃いほど、坂を登ろうとする推進力は増していくこと。寺田は16thシングル『サヨナラの意味』収録の「ブランコ」、23rdシングル『Sing Out!』収録の「滑走路」、さらにはアルバム『僕だけの君~Under Super Best~』収録の「その女」でセンターを経験。同時に、アンダーライブにおける座長も務めてきたメンバーである。