嵐、映画館から始まるファンと共に描いた夢のつづき 5人の魅力を映した『ARASHI 5×20 FILM』を観て

嵐、『ARASHI 5×20 FILM』を観て

 「さあ、映画館で夢のつづきを始めよう。」ーー2021年9月15日、嵐の結成22周年記念日当日に、ライブフィルム『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』ジャパンプレミアが行われた。

 今年6月に中国・上海で行われた『第24回上海国際映画祭』ワールドプレミアで話題を集めた本作だが、いよいよ待望の日本公開となる。本稿では一足先に行われた試写を踏まえて本作の魅力に迫ってみたい。

 2018年11月から2019年12月まで1年以上に渡って計50公演が行われ、1組のアーティストによる単一のツアーとしては日本史上最大の動員数237万5000人を記録した、デビュー20周年ツアー『ARASHI Anniversary Tour 5×20』。このツアーの中で1日だけ、ライブフィルム用の撮影として行われた東京ドームでの公演を収録したものが、今回鑑賞した作品だ。

 ワクワク感を掻き立てるOverture。次々とスイッチしていく映像で嵐のエンターテインメントの世界へと誘う。すでに映像化されている『ARASHI Anniversary Tour 5×20』とも違う、本作を観る人だけに向けられた5人の表情が嬉しい。

 ファンの数と同等数のスワロフスキー・クリスタル約200万個を散りばめたオープニング演出の輝き、揺れるペンライトの灯りを含めた会場全体、そして他のライブでも類を見ない超巨大LEDモニターを使った圧巻の演出ーーこれまで数々の斬新な演出で魅了してきた嵐の姿がそこにはある。靴のソールですら愛おしいと思えたのも、松本潤考案による客席の頭上を通過するムービングステージのおかげである。

 撮影には125台のカメラが使われ、5人の表情やパフォーマンスをはじめ、進化し続けてきた嵐ならではのステージ演出、会場の熱気、それらをあらゆる角度から捉えている。楽屋での様子や打ち合わせの様子などのドキュメンタリー映像も盛り込まれるのかと思いきや、徹頭徹尾ライブパフォーマンスに絞った潔さ。あらゆる演出のパフォーマンスをいくつも重ねることで、嵐の軌跡、そして5人の魅力を映し出している。

映画『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』予告編

 可愛らしい表情、感情を込めて歌う姿、真剣な眼差し、額や頬を伝う汗。近くにいるファンへのサービス、かなりの頻度で上方の客席に手を振るメンバーの視線。もちろん、本作を観ているファンに向けた笑顔も忘れない。

 客席から寄せられる歓声のシャワー、オーケストラ演奏による上質な音、静寂の中に響いた音。本作をスクリーンで見ると、まるで特等席にいるかのような臨場感があり、上質な音に包まれながら嵐の世界に没頭することができる。自分の見たい部分を見られるのはライブの醍醐味の一つだが、座席によっては視界が限定される場合もある。本作では、ライブの興奮そのままに、様々なアングルで構成された映像に身を委ねることができる。これまでにはない嵐のライブ映像を視聴できるスタイルが、とにかく新鮮だ。

 メンバー同士の瞬間的なアイコンタクト、予告にもあるメンバーを背後から捉えた映像には、相葉雅紀をセンターに、櫻井翔と大野智が手を重ねるなど、実際に会場の客席からでは見られない場面も映し出される。5人揃ってキメ顔をしたあと、表情がほぐれるタイミングまで同じとは。



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