櫻坂46 菅井友香、『レコメン!』卒業でさらなるステップアップ レギュラー出演で培った功績を振り返る

ラジオで培った対応能力がバラエティ番組で活かされる場面も

 そんな『レコメン!』で人気なのが、メインパーソナリティを務めるオテンキのりによる軽快なトークだ。隙あらばボケを挟み込み、ときには無茶振りも辞さない巧みな話術を持っている。これにはキャプテンとしてグループを引っ張っている菅井も当初は付いていくだけでも必死なように思えたが、最近はそのペースに完全に慣れている印象だ。2019年の段階ですでにオテンキのりは、「この約2年を通して、彼女に対する“おとなしいお嬢様”の印象はなくなりました」と彼女の成長を感じ取っている。(※1)

 もともと“お嬢様キャラ”としてデビュー時よりファンに認知されていた菅井。『欅って、書けない?』(テレビ東京)では早くから彼女が“リアルお嬢様”であることが判明していたが、それと同時に彼女の“おしとやか”で“おとなしい”イメージも定着していく。ところがこのラジオで鍛えた対応力が、バラエティの場でも活かされていると感じられる瞬間が度々確認できるようになったのだ。

 たとえば以前、ゲームアプリ「サマナーズウォー」でメンバーの小池美波が使用しているキャラクターの真似を菅井が披露した際に、その絶妙な表情を見逃さなかったハライチ澤部佑が、すかさずその顔真似を繰り返させる一幕があった。菅井はその執拗な振りに対して「もういいんですよ……」と言いつつもすべて瞬時に対応してみせる。それによって、最初に起きた小さな笑いの波がじわじわと大きな波となり、結果的にスタジオが大ウケするにまで至ったのだ。以前の彼女であれば変に間を空けてしまったり、拒否することで早い段階で終わっていたはずのやり取りだが、恥ずかしさを滲ませながらも笑顔ですぐにやり切ったことで最終的に大きな盛り上がりを生んでいた。これこそラジオで培った対応能力の賜物であろう。

人柄が出る“ポロリ”発言

 さらに、もはや『レコメン!』で定番となっていたのが“ポロリ”発言だ。菅井はよく解禁前の情報をつい口に出してしまうのである。過去に何度かそれをしてしまっているため、最近はむしろそれがネタとなり、彼女がどこまで言って、どこまで言わないかをオテンキのりがギリギリまで探るという2人の駆け引き的なトークが定番化していた。

 そこには菅井の人柄がよく表れているように思う。嘘が付けない素直さがあり、真っ直ぐで純粋な、裏表のない性格を持っている。だからこそ、多くのファンから絶大な信頼を得ているのだろう。『レコメン!』は、彼女のそういった人柄がよく感じ取れる場所であった。

 発表の翌日には、ミュージカルに初挑戦することが明かされた。2022年2月に上演されるミュージカル『カーテンズ』に彼女が出演するというのだ。菅井は以前、舞台『飛龍伝2020』に主演の神林美智子役として出演し、大役を見事演じ切った経験がある。ミュージカルは初だというが、持ち前の対応力と何事にも挑戦していく精神を武器に、さらなるステップアップを期待したい。

(※1)『別冊カドカワ 欅坂46 20190807』

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