Ado「うっせぇわ」、『ガンダムSEED』『アイマス』楽曲をカバー 御年73歳 ビリー・バンバン 菅原進、音楽への飽くなき探究心
フォークユニット、ビリー・バンバンのボーカル&ギターを務める菅原進が、自身のYouTubeチャンネルにカバー動画をアップし話題となっているのをご存知だろうか。
チャンネルを見ると、日本中に大ブームを巻き起こしたAdoの「うっせぇわ」に始まり、人気アニメ『けものフレンズ』のオープニングテーマ「ようこそジャパリパークへ」など、アニソンや若い世代に支持される楽曲が多数アップされ、何やら異様な雰囲気。心安らぐ穏やかなメロディと優しい歌声で一世を風靡したビリー・バンバンのイメージとはあまりにかけ離れた選曲に驚く。しかし、ネットでの反響は意外にも好意的で、「どんどんやってほしい」「哀愁漂うアレンジがクセになる」など、彼らを知らない世代からのコメントが相次いでいる。御年73歳。デビュー50年を超えるベテランシンガーは、現代のヒット曲にどう向き合っているのか。
始まりは、2019年の秋に「ニコニコ動画」に投稿された1本の動画だった。育成ゲームの人気タイトル「アイドルマスター」のキャラクター・小早川紗枝が歌うソロ曲「薄紅」に、菅原の声を合成したMAD動画をマネージャーが発見。動画を見た菅原は驚きながらも感激して、ぜひ自分でも歌ってみようと一念発起ののち「薄紅」の動画を制作したという。
2020年1月に自身のYouTubeチャンネルにて公開するとたちまちネット民たちの間で話題となり、以降、コンスタントにカバー動画をアップすることに。アニソンやヒットソングを選曲している理由については、「僕自身は、若い頃から海外の新しい楽曲に影響を受けてきたし、それが今は若者に人気があるシンガーや曲にも興味があるというだけのこと。純粋に音楽として「すげえな」「かっこいいじゃん」と思ったものを歌うのが楽しいんですね」(https://taishu.jp/articles/-/95710)とのこと。ほぼ月イチペースで新作を公開しており、『機動戦士ガンダムSEED』の主題歌「あんなに一緒だったのに」(See-Saw)は37万回、Adoの「うっせぇわ」は104万回再生を突破しており、着実にファンを増やしている。
カバー動画というと、どうしても本家を意識したカラオケ的な仕上がりになりがちなところ、菅原は原曲のトラックは使わずに、すべてオリジナルのアレンジに歌をのせている点がポイント。その多くがピアノやギターをフィーチャーしたアコースティックな音作りで、なおかつテンポもスローダウンされている。その点でも独自性が高いが、なまじ選曲時点で弾けた曲調のものが多いため、原曲になじみがあればあるほどギャップが感じられる仕掛けだ。