澤野弘之に見出されたシンガー Tielle、歌声ひとつで描き出す多彩な音楽表現 1年越しのリベンジ公演で展開した独創的なステージ
「約1年半前にこのステージに立つ予定をしていました。その後、世界が大変な状況になり、ネガティブなことを山のように抱えて、ここに来てくれていると思います。私自身、すごく苦しんだ1年半でした。だけど、ステージに立つ身としては、私みたいなちっぽけな存在ですが、プラスなことを、音楽を重ねていきたいと思いました。私が今、こうして、皆さんの前で音楽を届けられているのは、今日の声があるのは、この1年半があったからこそです。私は魂を込めて、最後の最後まで、楽しんでお送りしたいと思います」
ステージに立って歌っているという実感を噛み締めながら、クラップを鳴らし、体を揺らして音楽を楽しむ観客への感謝を伝えた彼女は、「今、新しい音楽を作っています。ものすごい曲たち。近いうちに大きなお知らせができると思います」と報告し、「温かい気持ちの歌。優しい曲を詰め込みました」という言葉をもって後半戦に突入。「trying」では観客ひとり一人と目を合わせるように歌い、「この曲は私からの応援歌です。やさしい気持ちで聞いて下さい。毎日、辛いことがあるかもしれないけど、大丈夫。乗り越えられるよっていう曲です」と語った「CalmTown」ではフロアがオレンジの暖かい光で満たせる中で、指でOKポーズを作りながら、ゆっくりとこわばってしまった心と体を解きほぐすようにパフォーマンス。そして、「Home」のLive Ver.でソウル~ゴスペルシンガーのような深くふくよかな歌声を響かせ、「今日は本当に来てくれてありがとうございました」と一礼し、大きな拍手に包まれる中で本編の幕は閉じた。
アンコールでは、再びロックナンバー「IF...」で観客のテンションを上げ、彼女も笑顔で髪を振り乱し、時にジャンプしながら拳を上げ、本編ではなかったこぶしも効かせながら熱唱。さらに、EDMの高揚感を湛えたラブソング「COLORFUL」で盛大なクラップが沸き起こる中で何度も「愛してるよ」と繰り返し、ホイッスルボイスのような超ハイトーンも披露。約1時間強で全16曲を歌い終えた彼女は、「私は一人では何もできないから。一緒に音楽をしてくれるバンドメンバーがいるから生きていけます。そして、聴いてくれるみんながいるから、Tielleは歌えます」と語ったところで涙を流し、「全然足りないけど、一生懸命に音楽するので、これからもどうか応援のほどよろしくお願いします」と泣きながら手を振って、自身2度目のワンマンライブのステージを後にした。
Tielle Official HP https://www.tielle.jp/