タイの国民的スターSTAMP×Awesome City Club対談 独自の音楽性を融合して生まれる、グローバルポップとしての強度

 タイの音楽シーンを代表するシンガーソングライター、STAMPが日本のアーティストとのコラボレーションを重ねている。「ジェイルハウス feat. SKY-HI」(2020年9月リリース)、「It takes two」(2020年11月リリース/THE CHARM PARKの作詞・作曲・プロデュースによる、 初の日本語オリジナル曲)、「HIDE YOU feat. chelmico」(2021年2月リリース)に続くコラボ曲は、Awesome City Club(以下オーサム)をフィーチャーした 「ฝันร้าย/ฝันดี (move on) feat. Awesome City Club」。リアルサウンドでは、STAMPとオーサムのメンバー(atagi、PORIN、モリシー)の座談会をセッティング。国境を越えたポップクリエイター同士のトークセッションをお届けする。(森朋之)

STAMPから見たオーサムの魅力

STAMP

ーーまずSTAMPさんに聞きたいのですが、「ฝันร้าย/ฝันดี (move on) feat. Awesome City Club」にオーサムをフィーチャーしたのはどうしてですか?

STAMP:今制作しているアルバムのコンセプトが、日本のアーティストとのコラボレーションなんです。以前、友達の紹介でオーサムのライブに行って、メンバーのみなさんと少し話をしたことがあって。そのことが記憶に残っていて、今回連絡させてもらいました。

atagi:オファーをもらったときは、もちろん嬉しかったんですけど、「言葉(歌詞)をどうするんだろう?」とかいろいろ考えちゃいましたね(笑)。自分たちにとっても初めての経験だし、わからない部分がたくさんありつつ、単純に「おもしろそう」という感じもあって。

PORIN:SKY-HIさん、chelmicoさんとのコラボも素敵だったし、以前お会いしたときに、STAMPさんの人柄にも惹かれて。日本の文化がお好きなことも知っていたし、どこかで交流したいなと思っていたので、声をかけてもらえたときは嬉しかったです。

モリシー:『BAYCAMP』のときにもお会いしたんですけど、そのときにお話しさせてもらって。STAMPさんはタイのスターで、もちろん楽曲もめちゃくちゃカッコいいんですけど、すごく気さくに接してくれて。お話をいただいたときは、「ぜひ!」という感じでした。

STAMP:僕もオーサムの音楽が大好きなんです。歌詞の意味は(日本語なので)そこまでわからないんですけど(笑)、音楽性がすごく好き。洋楽的なところもあるし、どこの国でも受け入れられるんじゃないかなって思います。メロディが日本的で、サウンドはグローバルという印象なんですよね。お二人(atagi、PORIN)のハーモニーも素敵なので、僕も自分の曲に取り入れたくて。

atagi:嬉しいです。メロディに関しては、日本の歌謡というか、アジア圏のポップ歌謡みたいな情緒があるんでしょうね。

Awesome City Club

ーー「ฝันร้าย/ฝันดี (move on)」はどんなコンセプトで制作された楽曲なんでしょうか?

STAMP:SKY-HIさん、chelmicoさんとのコラボ曲は、以前からあった曲に参加してもらったんですけど、今回はオーサムに合うように作ったんですよ。オーサムの音楽を聴き込んで、「こういう曲が合うんじゃないかな」とイメージしながらデモを作って。

atagi:それは僕らもすごく感じました。STAMPさんの楽曲はもっとスイートで、甘酸っぱくて切ない恋愛を想起させる曲が多いイメージがあって。「ฝันร้าย/ฝันดี ( move on )」はそれとは全然違っていて、ダンサブルな曲なので。

PORIN:デモを聴いたときのみんなの第一声も、「オーサムっぽいね」だったんですよ。バッキングのパターンやリズムのアレンジもそうですけど、オーサムのイメージで作ってくれたのかなって。

モリシー:楽器のアレンジも、すごく我々っぽい雰囲気で。「もしかして、丁寧にコピーしてくれたのでは?」と思うくらい(笑)。

STAMP:よかったです。オーサムの楽曲は、たとえば「勿忘」もそうですけど、バラードであってもビートはスタイリッシュなんですよね。ダンサブルなJ-POPという印象があるし、映画のサウンドトラックのように映像が思い浮かぶところもあって。

モリシー:いいこと言ってくれますねー!

atagi:しかも的確ですよね。

ーーボーカル、ギターのレコーディングはどんなふうに進めたんですか?

PORIN:すべてリモートですね。

atagi:進捗状況を伝え合いながら、ボーカル、ギターを録って。シンガー、プレイヤーに徹してました。

PORIN:タイ語で歌うのがすごく楽しかったです。タイ語は「コップンカー(ありがとう)」くらいしか知らなかったし、最初は本当に不安で、通訳の方に付き添っていただいたんですよ。STAMPさんもリモートでディレクションしてくれていたんですけど、実際に歌ってみたらすごく新鮮で。STAMPさんに、タイのシンガーの方に(声が)似てるって言われました。

STAMP:LULAさんですね。僕の妻が「ฝันร้าย/ฝันดี (move on)」を聴いて、「LULAさんに歌ってもらったの?」と言ってました。

モリシー:そんなに似てるんだ?(笑) ギターに関しては、もちろんSTAMPさんのガイド(になるギター)も入っていたんですけど、「自由に弾いて」という箇所もあって。ギターソロもかなり好きなように弾かせてもらいました。

ーーatagiさん、PORINさんの歌、モリシーさんのギターを聴いて、どう思われました?

STAMP:素晴らしかったです!

atagi・PORIN・モリシー:おー!!

STAMP:まずatagiさんの歌はすごくハイレベルで、合わせて歌うのが大変でした。PORINさんはまさに期待通りで、安心して聴けましたね。タイ語の発音も素晴らしくて、こちらの人に聴かせても「タイ人のシンガー?」と言っていたくらいです。モリシーさんのギターソロはちょっとサプライズだったというか、僕が入れたフレーズよりもさらにオーサムらしくなっていてビックリしましたね。

モリシー:嬉しいです!

atagi:レコーディングもすごく楽しかったですね。「どうですか?」と聞くと、「OK!」って素晴らしい笑顔を返してくれて。めちゃくちゃいい雰囲気でした。

ーーそれもSTAMPさんの人柄ですよね。ちなみにatagiさん、PORINさんは「ฝันร้าย/ฝันดี (move on)」のメロディをどう捉えてますか?

atagi:どこかで出会った気がするというか、すごく体に馴染みましたね。違和感はまったくなかったです。

PORIN:1回聴けば覚えられるメロディですね。歌謡っぽいなって。

モリシー:やっぱりアジア的なのかな。

PORIN:そうだと思う。STAMPさんは日本の音楽にも詳しいし、しかもオーサムの曲も聴き込んでくれていたので、私たちにも馴染んだんじゃないかな。

STAMP:J-POPの音楽の影響もありますからね。タイのオーディエンスからも、「日本っぽいメロディですね」というコメントをもらうことがあるので。

atagi:そうなんですね! おもしろい。

STAMP:タイの多くのアーティストは、タイの伝統的な音階を使って曲を作っているんです。そうしないと言葉が乗りづらいんですけど、僕はそうじゃなくて、すべての音階を使って、いろいろなメロディを作るので。

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