櫻坂46、3rdシングル『流れ弾』フォーメーションを徹底解説 慎重かつ大胆な変革が見て取れた選抜に

フロント3名は全員2期生、中列は全員1期生

 今回の選抜で変化が著しかったのが櫻エイトの位置取りである。なかでもフロントは全員2期生となり、ファッション誌『ViVi』(講談社)の専属モデルの座を射止めた山﨑天と、2度のセンターを経験し日を追うごとにパフォーマンス面に磨きがかかっている森田が両脇に立つ。これまでのフロントと比べても見劣りしない強力な前列だ。

 一つ気掛かりなのが、164.6cmの山﨑、163cmの田村に対して、左端(向かって右)の森田が150.5cmと少々アンバランスな見栄えになってしまっている点である。したがって、それを補うのが中列の端に立つグループ最高身長の土生瑞穂(171.6cm)の存在なのだろう。森田と土生の“身長差コンビ”は、前作「BAN」でも特に冒頭の場面で強固な連携を見せていた。このあたりの見せ方の工夫も新作では注目したい。

 新しく櫻エイト入りを果たしたのがその土生と、渡辺梨加の2名。土生はこの期間でモデル活動やレギュラー番組の出演といった個人活動での活躍がよく聞こえてきた。渡辺はダンス面での成長がよく話題に上がった。いずれもこの期間で“変化できた”メンバーと言える。彼女たちを含めた中列は全員1期生。つまりこの2人の櫻エイト入りは、2期生が中心になりつつある中でも「まだ1期生にもチャンスは十分にある」という姿勢の証左だ。

新加入組の成長が急務か

 武元唯衣の選抜入りは多くのメンバーに勇気を与えることになるだろう。3列目メンバーが出演した『BACKS LIVE!!』での活躍が、いわゆる“バラエティ班”にとどまっていた彼女のイメージを一掃したように思う。“喋れて踊れる”貴重な存在へと生まれ変わった武元は、残念ながら今回選抜落ちした井上梨名や、バラエティで大きな爪痕を残している大沼晶保といったメンバーにも、明るい道筋をもたらしたはずだ。

 しかしその一方で、2期生の新加入組にほとんど変化はなかった。このところステージ上で異彩を放っている遠藤光莉や、ダンス面とバラエティ面の両方で話題に上がる増本綺良など、新加入組にも目覚ましい成長を遂げているメンバーは多いが、今作はあいにくの結果に終わった。“全員で成長する”というスローガンのもと改名したことを考えれば、彼女たちのさらなる成長が急務と思われる。

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