FUNKY MONKEY BΛBY'S、変化した「ありがとう」の意味、何年経っても尽きない夢へ! 20周年ツアー最終公演を振り返る

昨年9月6日の青森Quarter公演を皮切りにスタートした『FUNKY MONKEY BΛBY'S 20th anniversary TOUR 〜そのまんま東へ西へ〜』。前半はライブハウス公演で、後半はホール公演。デビュー20周年記念日の1月25日を挟み、約9カ月にわたって全国各地を巡ったこのツアーが5月24日、東京・昭和女子大学人見記念講堂でファイナルを迎えた。代表曲の数々が大合唱となり、今後の活動への意欲も示されたライブの模様をレポートする。
「メロディーライン」がスタートすると、ステージに勢いよく飛び出してきたファンキー加藤とモン吉。激しく動き回りながら届けられる歌声が、早くもベイビーズ(ファンの呼称)を興奮状態にした。飛び跳ねる人々のエネルギーによって揺らぎ始めた会場。振動が足元からはっきり伝わってきて驚かされる。2曲目「ナツミ」に加わった手拍子の音量も半端ではなかった。ファンキー加藤とモン吉だけでなく、観客もペース配分なんてまったく気にしていない。「カメラがめっちゃあります。U-NEXTで配信が決定しました! 生半可なライブをしたら俺たちの音楽人生終了(笑)。嘘でもいいから盛り上がって!」とファンキー加藤が呼びかけていたが、何の心配もいらなかったはずだ。あの空間の熱量は、映像を通しても完璧に伝わると思う。

2006年1月25日にリリースされた「そのまんま東へ」が先陣を切り、「恋の片道切符」「ALWAYS」……メジャーデビューシングルからリリース順に表題曲が披露されたのは、20周年ツアーならではの構成だった。そして、そのままテンポよく進むのかと思いきや、唐突に訪れた間。無音状態がしばらく続いてから声を発したのはモン吉だった。「ようやくここにたどり着けて感無量っす。完走できたのはみなさんのおかげ。ありがとうございます!」と挨拶した直後、「マジでさあ、いいかげん覚えてくれよ(笑)。29本やってんだよ!」と、呆れていたファンキー加藤。曰く、サポートメンバーのDJ・バカムスコ翔に「モン吉さん、ここです」とこっそり囁かれて、喋るのを任されている曲間だと気づいたらしい。20年経っても変わらないモン吉のマイペースさにほのぼのとさせられるMCタイムであった。

『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)初出演が大反響を呼び、ファンモンの人気を加速する起爆剤となった4thシングル表題曲の「Lovin' Life」が披露されたあとは、さまざまな時期の曲が届けられた。「告白」「GO!GO!ライダー」「旅立ち」「大丈夫だよ」を経て、昨年リリースされた「Come back home」。そして「ヒーロー」は、2009年リリース。働くお父さんたちを応援するこの曲は、今でもベイビーズに深く愛されている。客席全体に漂うムードが、とてもあたたかかった。「平成時代のファンモンの曲を、今でもみんなが歌ってくれるのを心から嬉しく思ってます。再始動後の令和のファンモンも平成に負けないくらいいろんな曲を作っていて、今の俺たちにしか歌えないような曲もどんどん生まれていて。これからもっともっとみんなに届けたいなあと思ってます」――。尽きることのない創作意欲をファンキー加藤が示した直後に披露された「荒野に咲く花」は、2023年のアルバム『ファンキーモンキーベイビーズZ』に収録されている。この曲で発揮されているような情熱的な作風は、平成の頃のファンモンにはなかった。その次に歌った「エール」は、再始動後の最初の曲。厳しい現実と向き合う人々を鼓舞する言葉の凛々しさに、人生経験を重ねてきたふたりの姿を感じた。

中盤のMCで2013年の“FUNKY MONKEY BABYS”解散、2021年の“FUNKY MONKEY BΛBY'S”再始動を振り返ったファンキー加藤。ファンモンの活動を望む声に耳を傾けられない時期もあったというだが、「『いつかまたファンモンを』というみなさんの声にめちゃくちゃ甘えて、再始動してよかったなと心から思ってます」と語った彼は、「みんなが知ってくれる曲をまた作りたい」「また『紅白』(『NHK紅白歌合戦』/NHK総合)に出たい」「東京ドームは涙で終わる解散ライブだったので、次は笑顔で迎えられたら」……何歳になっても夢があるのを喜んでいた。そして、最後に挙げた夢は、次のようなものだった。「ベイビーズのみなさんそれぞれの人生の素敵なBGMを作り続けたいなと思ってます。しんどい時、俺はずっとベイビーズに甘えてたから、たくさんファンモンの音楽に寄りかかってほしい。みなさんが寄りかかっても倒れないくらいの力を持ったFUNKY MONKEY BΛBY'Sでいますから」――この願いは、今後のファンモンの活動の大きな軸となっていくのだろう。

2013年の解散前、FUNKY MONKEY BABYSとしてのラストシングル「ありがとう」が、新しい意味を帯びていたのも思い出される。リリースされた時は“さよなら”の「ありがとう」だったが、今は“これからもよろしく”の「ありがとう」になっているのを感じた。それに、観客の歌声のかけがえのなさも、たびたび強く実感させられた。大合唱を巻き起こした「あとひとつ」「音楽を鳴らそう」「サヨナラじゃない」「希望の唄」を経て迎えた小休止で、抱いている想いを語ったファンキー加藤。「20年間、ずっと勘違いをしながら歌ってました。『世界一の応援ソングを歌えてる』って。でも、みんなが歌声をあわせてくれた瞬間だけは間違いなくそれが本当、真実になりました。世界一の応援ソング。それは俺たちの勘違いじゃなかったと証明してみせましょう!」という言葉を添えた「ちっぽけな勇気」は、たくさんの人々の歌声で彩られながら本編を締めくくった。
鳴り止まない手拍子に応えたアンコールの1曲目は「アワービート」。ライブ会場で聴くと明るいパーティーチューンとしてひたすら楽しめてしまうが、冷静になって歌詞と向き合うとお色気ワードが随所に盛り込まれていることに気づかざるを得ない。真っ白なCO2を大量に発射しながら客席内を巡ったファンキー加藤は、ベイビーズの歓声を間近で浴びながら大はしゃぎしている。MCでは、中学時代のあだ名である“ツカ”といきなり呼ばれ、モン吉が「やめてもらっていいですか(笑)」と戸惑う場面も。そして、アンコール2曲目「西日と影法師」が届けられた。“カトシュン”と呼ばれていたらしいファンキー加藤の言葉を借りるならば、「ツカが学生の時に見てた景色」をこの曲は描いている。歌声を噛み締めると、彼らの地元・八王子市内を流れる浅川沿いの風景、山々の向こう側に沈んでいく夕陽が思い浮かぶ。日が暮れるまで元気に遊びまわっていたツカとカトシュンの少年時代の姿を想像させられた。

8月5日にリリースされるシングルの表題曲「夏子」がTVアニメ『ぐらんぶる』Season 3(TOKYO MXほか)のオープニング主題歌に決定し、12月5日にはワンマンライブ『WE ARE FUNKY MONKEY BΛBY’S -20th finale-』をTOYOTA ARENA TOKYOで開催するというふたつの発表がベイビーズを大喜びさせた後、ラストを「悲しみなんて笑い飛ばせ」が飾った。観客が掲げたタオルが激しく回転。巻き起こった風が歌声と一体となり、メロディに熱を加えていた。そして、迎えたエンディング。長かったツアーが無事終了した喜びを語り合い、支えてくれたあらゆる人々に感謝を伝えたファンキー加藤とモン吉は、拍手を浴びながらステージをあとにした。
いつもならば寂しくなるツアーファイナルだが、今後の予定が盛りだくさんなので寂しくないと彼らは言っていた。ベイビーズたちも同じような気持ちだったのではないだろうか。6月20日、21日に東京ガーデンシアターで開催される『FUNKY MONKEY BΛBY'S × いきものがかり 20周年対バンライブ ~あの日の約束ハタチまSHOW!!~』のほか、今年は夏の音楽フェスへの出演も予定されている。ファンモン20周年は、まだまだ楽しくなっていきそうだ。

























