鬼頭明里、熊田茜音、大橋彩香 a.k.a HASSY……自らの音楽性を広げて夏を彩る女性声優たちの注目作
最後に紹介するのは、ラッパーのHASSY……ではなく、HASSY名義で発表された大橋彩香の新曲だ。今年4月1日のエイプリルフール、ランティス公式YouTubeチャンネルにアップされた「私、大橋彩香辞めます。」というタイトルの動画。そこにはクールな佇まいで、まるでアリアナ・グランデをオマージュしたかのようなファッションで、笑顔を見せてインタビューに答える大橋彩香 a.k.a HASSYの姿があった。
大橋のファンだけでなくアニソンファンをも惑わせたこの動画は、もちろんエイプリルフールのジョーク……だったはずなのだが、「はっしー(大橋のニックネーム)ならやりかねない」という意外な反応があったという(※1)。
ジョークをジョークと受け取ってもらえないのは少し悲しくもあるが、意外性を突く狙いは今回の楽曲へと繋がっていくことになる。これまでにもラップ調の曲はあったものの、今回の「#HASHTAG ME」は本格的にラップに取り組んだ楽曲でもある。
キックドラムとサブベースを中心にしたダンストラックに加え、大橋のボーカルとラップが絡んだ1曲は、どこかK-POPを意識しているようにも感じる。乙女ゲームを愛する彼女を表すように〈二次元ではキスできたって OH NO! 三次元じゃできん!〉や〈B-I-G BRIDGEの大橋です〉など、いわば自己紹介ソングでもあり、セルフボースティングな部分もある。
「カッコつけることが死ぬほど苦手なんです」という彼女にとって、まさしく「恰好をつける」ことは意外なことであり、これまで避けてきた学ぶべきポイントだったのかもしれない。コミカルに表現されているが、大橋のアルターエゴ(=別人格)を表現するチャレンジ精神に溢れた新曲だ。
※1:https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1627951737