SixTONESは“作品の力で勝負”するグループへ シーンの先駆者として「フィギュア」「マスカラ」で起こした化学反応
また、今年発売された1stアルバム『1ST』の収録曲「うやむや」のMVも全編アニメーションで話題になっていたが、このようなボカロ文化を彷彿とさせる作風やサウンドの作品を、J-POPのど真ん中にいるボーイズグループが取り組んでいるという点は非常に画期的だ。自身もボカロPであるコンポーザーのくじらに加えて、えむめろやリトルサンダーといったクリエイターたちがSixTONESを介して日本の音楽シーンを賑わせている。次に彼らがどんなアーティストとコラボするのか、どんなクリエイターをフックアップするのか、もうすでに楽しみで仕方ない。
こうした点を踏まえて、「日本で今一番面白いボーイズグループは?」と聞かれたら、筆者なら迷わずSixTONESと答える。なにしろやっていることが挑戦的で面白い。自身をある種“プラットフォーム化”し、様々なジャンルの幅広い才能と繋がっていく。時代に即した活動が出来ていると感じる。「ジャニーズをデジタルに放つ新世代」としてYouTubeのアーティストプロモキャンペーンにも抜擢されていたが、徐々にその効果も表れ始めているのだろう。いわゆるジャニーズの“90年代デビュー組”を知らない若い世代が、「YouTubeで知って好きになった」という声を筆者も実際に聞いたことがある。
SixTONESのこうした一連の活動の方向性は、シーン全体にも影響を及ぼすはずだ。ボカロを含めた国内の音楽シーンを活性化し、また他方ではジャニーズのイメージも刷新している。そして何よりも、作品にこだわる姿勢が良い。クリエイターの色を大切にし、その中で自分たちの色も出し、“作品の力で勝負”するグループへ。彼らは、日本発のボーイズグループの新しい在り方を、シーンの先駆者として提示しているのだ。
■リリース情報
SixTONES
5thシングル
『マスカラ』
8月11日(水)リリース