SixTONES、「マスカラ」に見た常田大希の狙い グループの新たな魅力見出す“切ないラブソング”を紐解く

SixTONES
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 7月3日、SixTONESが音楽特番『THE MUSIC DAY』(日本テレビ系)で新曲「マスカラ」をテレビ初披露した。8月11日にリリースされる5thシングルの表題曲「マスカラ」は、常田大希(King Gnu/millennium parade)による提供曲。SixTONESと常田のコラボを喜ぶ声が多かったのはもちろん、実は常田が他アーティストに曲を提供する機会がそれほど多くはないこともあり、リリースが発表された時点で話題になっていた。

 『THE MUSIC DAY』での「マスカラ」は、デビュー曲「Imitation Rain」から続けて披露された。アコースティックギターのリフが印象的なイントロはおしゃれだが物悲しく、“満たされない想いへの葛藤を描いた切ないラブソング”としての姿が露わになる。思えば、常田の曲にダンスの振り付けがつくのはなかなかにレアだ。エアギター風の振り付けがあったのは、楽器を掻き鳴らす動作で感情の高まりを表現しつつ、バンドマンからの提供曲であることを印象付けるためだろう(ピアノを弾く動作を振り付けに取り入れた「Imitation Rain」からの系譜も)。また、決められた振り付けのない箇所でも、手指の動きや視線の運び方に気を配るSixTONESの6人の姿を見て、色気とは細部に宿るものだと痛感した。

 一人ずつ順に歌うAメロ~Bメロに対し、サビはユニゾンで歌唱。転調を機に熱量をもう一段階高めたあと、再びのAメロで閉じる構成となっている「マスカラ」。“常田節”なるものを特に感じたポイントは2つ。1つ目は、サビの歌メロの譜割りの細かさ。おそらくメンバーもレコーディングでは苦戦したのではないだろうか。そして2つ目は、転調のしかた。〈マスカラ剥がれたまま〉とサビを歌い終えたかと思いきや、間を空けずに歌われる、ほぼ同じ音形(しかしアウフタクトで入ってくる)のメロディ〈“あの頃の二人のまま”〉をきっかけに半音キーが上がるのだ。この畳み掛け方、一度構築したものを崩すことでブーストをかけていく構成は、「何かを壊して、何かを作り出すということは、俺が考えるアーティストとしての基本姿勢みたいもの。その姿勢なくして、今の時代に何かを表現することはできないと思う」と語る(※1)常田のアーティシズムの表れに思える(今回はショートバージョンでの披露だったため、テレビサイズだからこういう構成になったのか、フル尺でもこうなのかは分からないが)。

 ところで、この曲、ボーカリストとして求められる役割や越えるべきハードルが6人それぞれに設けられているように思えてならない。まず、ジェシーによる歌い出しが曲の在り方を左右するのは言うまでもない。クリアな高音域のイメージが強い京本大我は、Bメロで低音域のパートを担当していて、これはまさにチャレンジにあたるだろう。同曲にとって特に重要な、転調のきっかけとなるパートを歌うのは髙地優吾(+オクターブ下の松村北斗)。また、転調後のAメロの出だしも実は難しい。A♭→Fの跳躍をしっかりと当てるピッチの正確さが森本慎太郎には求められる。なお、リリース発表時にも引用されていた〈終わりがあるのなら 始まらなきゃ良かったなんて〉というラインはAメロにあり、オンエア内では2回登場。1回目を歌うのは透き通った声の松村、2回目は陰りのある声の田中樹と、メンバーの個性の違いで物語を表現する采配も見事だ。

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