ポルノグラフィティ 岡野昭仁、配信番組『DISPATCHERS』で届ける“歌力” カリスマ性放つ理由は努力の積み重ねに

ポルノグラフィティ『VS』

 ポルノグラフィティのボーカル・岡野昭仁が、3月下旬よりスペースシャワーTVと連動して、YouTubeにて『DISPATCHERS』という配信番組を始めた。岡野のトークと弾き語りがメインだが、#2と#3では、ポルノグラフィティへの強い敬愛の念を示している、King Gnu・井口理のラジオ番組『オールナイトニッポン0』へ突撃した様子も放送され、双方のファンから大きな話題を呼んだ。ポルノグラフィティのファンからは「昭仁の生存確認番組!」、King Gnuのファンからは「(ポルノグラフィティの)歌の印象と違ってトークはほっこりな人」という反応も。そう、パワフルな曲のイメージとはギャップがあるのが岡野昭仁なのだ。

DISPATCHERS -岡野昭仁@オールナイトニッポン0(ZERO)-
DISPATCHERS -岡野昭仁@オールナイトニッポン0(ZERO) 2-

 ポルノグラフィティとしてのテレビ出演やライブのMC等では、フロントマンの岡野が率先してトークを担当しているが、実際ポルノグラフィティの“多弁者”は、ギターの新藤晴一だ。単独のレギュラーラジオ『カフェイン11』(bayFM)は17年目に突入、小説やエッセイも出版し、雑誌や新聞での連載もこなす、行動派にしてアイデアマン。岡野も『DISPATCHERS』の中で「晴一は発想が豊かな人」と触れつつ、「(彼の)フォローが無いから大変」と吐露するほど、(過去には単独で『オールナイトニッポン』のパーソナリティを務めていたものの)ひとり喋りをあまりして来なかった。デビューから10年ほどの歌詞はネガティブな内容が多く、ステージ以外ではオーラが無いと言われ、自身のSNSアカウントを持っていないため、ファンに消息を心配される岡野。今ドキ風に言うなら、(愛をこめて)ポルノグラフィティの“陰キャのほう”と呼ぶべきか。

 その岡野がスタートさせた番組は、歌を“発信していく”というテーマにちなんで、『DISPATCHERS』と名付けられた。初回では久保田利伸の「Indigo Waltz」を、#5ではLiSAの「紅蓮華」を弾き語りでカバー。印象的だったのは、4月15日の「番外編」で、カート・コバーンの写真が飾られた岡野の個人スタジオから、自身のスマートフォンで撮影しながらポルノグラフィティのヒット曲を7曲も連続披露した回だ。岡野の歌は、全ての音符の的に歌の矢がストンと刺さってゆく。抜群の滑舌の良さと、ハイトーンもバラードも圧倒的な声量で聴かせ、かつ歌い尻を下げる技法(フォール)で耳ざわりを丸くしているのも特徴だ。その歌力(うたぢから)に、ただただ胸を打たれ、聴き入ってしまった。「大変な世の中だけれど、少しでもポジティブを見つけて、歌で元気になってくれたら」とメッセージを送っていた。

DISPATCHERS -岡野昭仁@スペシャ-
DISPATCHERS -岡野昭仁@プライベートスタジオで紅蓮華を歌う-
DISPATCHERS -岡野昭仁@番外編-

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