嵐、『ウラ嵐BEST』に刻まれたファンと5人が見た景色 各メンバーの選曲から伝わる強い繋がり
櫻井翔の選曲:「Still…」(作詞:多田慎也・櫻井翔 作曲:多田慎也)
Twitterの投稿では「こんなに沢山、私がRAPを書いた曲が潜んでいたとは…。」と綴った櫻井。「Still…」は2007年9月5日発売の20thシングル『Happiness』のカップリング曲。疾走感溢れる「Happiness」とは印象をがらりと変えた、ギャップのあるナンバーだ。櫻井は「"Still…"は16小節と他の曲に比べて長めのRAPとなっております」と解説したように、ラップパートの歌詞からは、楽曲内に登場する2人の対話の様子がありありと浮かんでくる。
こんなに沢山、
私がRAPを書いた曲が潜んでいたとは…。"Still..."は16小節と他の曲に比べて
長めのRAPとなっております。
("#二人の記念日"もだ)ご賞味くださいませ!#嵐のウラ嵐BEST pic.twitter.com/voAg4cdf45
— ARASHI (@arashi5official) July 6, 2021
恋愛はもちろん、友情にも置きかえられ、聴く人やシーンによって様々な捉え方ができる。また、活動休止の発表後には嵐の境遇と同曲の歌詞を重ねた声が寄せられていた。『アラフェス2020 at 国⽴競技場』でも披露されたように、『アラフェス』では定番の人気曲でもある。
2012年の『アラフェス』では、声やメッセージを届けようと歌詞を強調した、前のめりな歌唱が印象に残る。櫻井のラップパートでは、メンバーが縦一列に並び、そこから櫻井を中心に両サイドへ2人ずつ分れるフォーメーション。一生懸命に楽曲に込められた思いを伝えようと、櫻井が人差し指を前に向けながら熱のあるラップを披露した。
二宮和也の選曲:「season」(作詞・作曲:youth case 編曲:石塚知生)
「season」について、「やっぱりこの曲は色々な景色を思い出します。カップリングの中ではコンサートでたくさん歌わせて頂いたしコンサート会場が浮かんできます」と紹介した二宮。
やっぱりこの曲は色々な景色を思い出します。
カップリングの中では
コンサートでたくさん歌わせて頂いたし
コンサート会場が浮かんできます😊
シンプルに良い曲。
イヤホンで聴きたくなる曲。
皆も色んな形で聞いてあげて下さい‼️#嵐のウラ嵐BEST pic.twitter.com/3snUiWCdIK— ARASHI (@arashi5official) July 8, 2021
同曲は、2009年7月1日発売の27thシングル『Everything』のカップリング曲で、同年春に嵐が出演したau by KDDI「もしも僕らが、嵐でなかったら。」編のCMソングに起用された。ドラマのようなストーリー仕立てのCMで、まだスマートフォンではなく、二つ折りの携帯電話の最新モデルが使われていた。そんな月日の流れを感じながら、リリースから10年以上経っても楽曲が全く色褪せていないことを実感する。
相葉&松本&二宮から、櫻井&大野へとバトンを渡すように歌い継いでいくのだが、後半のサビでは大野のまっすぐな気持ちが伝わる、伸びやかなソロパートが印象的だ。2012年の『アラフェス』では、松本のソロ曲「Shake it!」のダンサブルなステージから雰囲気を変えて、しっとりとパフォーマンスされた。
「season」の一節〈遠く離ればなれでも 心ひとつ つながってる〉、「Still…」の〈いつか笑ってまた再会 そう絶対〉と、今回の選曲には彼らがいま伝えたいメッセージが込められているように感じた。また、大野だったら何を選曲するのか考えてみるのも楽しみが広がる。
2019年から、風穴を開けるようにスタートした怒涛のデジタル展開。コロナ禍も重なったことで、デジタル配信を通じて嵐をより身近に感じたり、心の支えになったりした人も多いことだろう。また、2020年12月31日に行われた『This is 嵐 LIVE 2020.12.31』では、途中『NHK紅白歌合戦』への出演を挟み、日付が変わる直前までファンとの繋がりの場を設けるなど、彼らがどれだけファンを思っているのかが伝わってきた。
『This is 嵐 LIVE 2020.12.31』の最後で松本はこんな言葉を伝えた。「僕らの音楽をこれからも愛してやってください。辛い時に困った時に元気出したい時に、いつでも音楽は側にあります。寂しかったら嵐、聴いてください。俺も聴きます」。
その言葉通り、今回の『ウラ嵐BEST』、『5×20 All the BEST!! 1999-2019 (Special Edition)』の配信、そして『アラフェス2020 at 国⽴競技場』のリリースと、2021年を迎えてもファンと嵐はは強く繋がっている。
グループ活動こそ休止しているものの、配信やSNSを通して、嵐とファンの思い出が刻まれ、嵐の音楽にもまた一つ新たなエピソードが重ねられた。