ぜんぶ君のせいだ。もとちか襲、素直な自分であり続けたい理由 “誰かのため”に生きることで芽生えた覚悟とは?

ぜん君。もとちか襲、誰かのために生きる覚悟

如月愛海との出会いが“引き出してくれたもの”

ーーコドモメンタルの居心地よさって、どういうところなんですか。

襲:綺麗事ばかり言わないところですかね。オーディションの時も、社長から良いことを言われた記憶はそんなになくて、むしろ「今の音楽業界とか女性グループって全体的に完全に下降気味だよ」とか、そういう話をした記憶があります。でも最後に、コンビニのスイーツが近くに置いてあったので、それをシュッて渡してくれました(笑)。きっとうまいことばっかり言ってくる大人もいると思いますけど、コドモメンタルはそうじゃなくて、どういうものが厳しいとかちゃんと教えてくれた上で、絶対いい方向に持っていってくれるんですよ。そういう意味では、本当に家族みたいな場所だなと思います。

今村:でも、僕は襲が(如月)愛海のことを好きだっていうのが一番大きいと思うよ。頑張れる範囲って人によって違うわけで、僕は専門学校で講師もしてたので言うんだけど、子供とかスポーツの教育と同じで、最初のうちにそれがどれだけ当たり前になるのかが大事なんだと思う。やっぱり甘やかされて育ってきた子は、大人になってからも甘やかされるわけで。でも、襲にとっては愛海がやることが当たり前だから、自分がそれをやることに何の疑問もないんだよね。そうすると当たり前のレベルが変わってくる。例えば同じ時期にデビューしたとしても、そこが他のグループの子と雲泥の差が出るところなんですよ。

ーー襲さんは、如月さんへの憧れによって自分が変わった感覚があるんでしょうか。

襲:変わった部分ももちろんありますけど、引き出してくれたなって思います。やっぱり性格って簡単には変わらないじゃないですか。今まで本当はこういうものに出会いたかったとか、本当はやりたかったけどやってこなかったとか、きっとあったんですけど、育ち方や年齢もバラバラな7人が集まったことで、そういう発見をさせてくれるのは大きいですね。愛海はその中でも先頭を行ってくれていて、本能的についていきたいと思えるすごい人なんです。

ーー如月さんは全方位的な感情表現が上手な人だって、ぜん君。メンバーの皆さんはよく言いますよね。

襲:そうですね。愛海を見ていると、ステージってその人間の生き様なんだなってめちゃくちゃ思います。でも、いろんな感情を出すのが得意というよりは、自然にそれだけ出てくるものなんだと思うんですよね。グループを引っ張り続けてきて、「あの時楽しかったな」「メンバーがいなくなって苦しかったな」とか、そういうことを全部体験しているから、ステージでもそれが出るのかなって。自分もいろんな経験を積んで、ステージで出せるようになりたいです。

ーー同期メンバーへの印象はどんな感じですか。

襲:自分にないものを持っているのはもちろんなんですけど、甘福氐はしっかり者で努力家っていうイメージ通りで、甘福氐がいることでスムーズに行くことも多いし、本当に人の痛みがわかる子だなと思います。誰かが辛いと思っていたらちゃんと寄り添えるし、嬉しいと思っている人がいたら一緒に嬉しくなれる、そういう子だなって思いますね。

ーーふふさんはどうですか。

襲:ふふは友達っぽいですかね。2人でいると「男子中学生みたいな会話だね」って愛海にもよく言われるんですけど(笑)、知っていくほど根っこの部分がすごく強い子だなって思います。あまり不幸なことを考えていないし、〈修羅 destiny 余裕で喰らう〉っていう「唯君論.」の歌詞にもありますけど、何があっても最終的にはふふの力で食っていくんじゃないかなって思えますね。

「ダメな部分ごと愛してくれるので嬉しい」

ーー喑さんにインタビューした時に、「周りのことをちゃんと見ているのは襲なんです。彼女が一番バランスをとってくれているのかなと今は思いますね」「空気を読んで中立の立場にいれるのが襲」と言っていて(※2)。ご自分ではどう思いますか。

襲:中立にいられるというよりは、平和がいいんですよ。昔から両親が喧嘩っ早かったりとか、「もっと平和にやれるんじゃないの?」とずっと思っていたので。やっぱり笑っている時間が多い方がいいじゃないですか。そのために自分がクッションになれるなら、なりたいなっていう気持ちです。意識して中立になろうっていうのとは違うかもしれないけど……甘福氐にそう思われているなら、できてるのかな(笑)。

ーー自分のどんな性格がそういう空気を作れているんだと思いますか。

襲:人にすぐ頼るところですかね。自分の弱いところとか隙をバンバン見せられるんですよ。「これわかんないから教えて」とか、「お腹空いてヤバいからなんか食べようよ」みたいな(笑)、自分の気持ちとか感情をバッて出すので、相手もたぶん心を開いてくれるんじゃないかなって最近気づきました。

ーー〈クールなくせに3歳〉(「唯君論.」)というギャップについてはいかがですか?

襲:私ってきっと、人間的に未熟な部分がめちゃくちゃあるんです。でも、それを「3歳児だね〜」って社長やみんなが言って、ダメな部分ごと愛してくれるので嬉しいですね。取り繕っていない素の自分のまま、“もとちか襲”でいられるのはすごいことだなって。

ーーそんな襲さんが、最近密かにすごいなと思っているメンバーは誰でしょう?

襲:てつこ(个喆)かな。グループを渡り歩いていろんなことをやってきたわけじゃないですか。ふわふわな雰囲気なんですけど、てつここそ本当に周りを見れる人なんだろうなって思います。ステージでも目が合うタイミングが多いんですけど、やっぱり根っこの強い部分が垣間見える瞬間が多いし、可愛さ、カッコよさ、艶っぽさとか、いろんな表現を持っている子だなと思うので、尊敬できますね。普段話していても、誰かがポロって言ったことを絶対に拾うんです。独り言でも。移動中の車でも、てつこは起きてることが多いので、本当に周りに気を遣ってくれているなって。

ーー皆さんそれぞれ意外な一面があるんですね。

襲:私は弱いところをバンバン見せていくのが武器ですけど、てつこはずっとニコニコして気を配れることが強みなのかなって。

ーー自分が何度かインタビューしている中では、周りが「う〜ん」って考え込むような時に、空気を切るように発言してくれるのが襲さんの強みだなという印象でした。

襲:ありがとうございます。人見知りなんですけど、普通に人と話すのは好きなんですよ。インタビューってなると、私たちのことを知りたいからいろいろ聞いてくれるじゃないですか。私もそれに答えたいなって思いますね。

ーー最後に、襲さんの今後の目標や、やっていきたいことを教えてもらえますか。

襲:ぜん君。のパフォーマンスの核になりたいっていうのはずっと思っています。まだまだいろんな曲が増えたり、ライブができる会場も増えていくと思うので、勉強し続けて「襲がいるからステージを見ていて楽しいよね」って言われる存在になりたいです。『re:voke tour for 47』で47都道府県を回りきったことが大きくて、もう自己肯定感が爆上がりなんですよ。「こんなことできるのって私たちしかいないじゃん。めっちゃ最高じゃん!」みたいな。ぜん君。で活動していくと、そういうことの連続なんだろうなって思います。あとは、これからも素直でい続けることが大きな目標ですね。いろんなことを吸収して、ちゃんと自分の力にしながら成長し続けていきたいです。

※1:https://realsound.jp/2021/02/post-708365.html
※2:https://realsound.jp/2021/05/post-755752.html

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