櫻坂46 小林由依、武元唯衣、齋藤冬優花……『そこ曲がったら、櫻坂?』を盛り上げた“名ガヤ”をピックアップ
「ただの食事」(松田里奈)
その激辛クイーン決定戦で、メンバーたちが何食わぬ表情で激辛料理を食べる光景を目にしての一言。顔色ひとつ変えずに淡々と食べている状況を的確に表現したこのフレーズは、しっかりと顔付きでテロップにもなっていた。松田はこうした状況説明的ガヤを、短いセンテンスで素早く入れることに長けている。
「嫌な女だ」(武元唯衣)
メンバーのレア情報を発表する企画で、「(大園)玲ちゃんはおしゃれなバッグを持ってる」と少々弱めの情報を披露した松田に対して大園が「バッグだけ褒めてくれるんですよ」と反撃した際に、ちょうどその間に座っていた武元がボソッとつぶやいた一言。突如起きた両脇のプロレスを煽るようなニュアンスなのがまた面白い。この同期2人による“武元松田ライン”は、いまや番組の名物と言っても過言ではないだろう。そして、ガヤ役としても中心的な役割を担っている。
「字!」(発言者不明)
学力テストでの「『骨を折る』という慣用句を使って、『土田』という言葉が入った文章を作りなさい」という問題に対する大沼晶保の珍回答「土田の骨は簡単に折れた」が表示された時、いち早くその書体に注目したシンプルな一言。ただし、発言者が誰なのか正確に判別できない。オンエアではそこまでフィーチャーされなかった言葉だが、実際トークは「大沼のこの字は(珍回答が)期待ができる」と、このガヤが誘い込んだような流れを踏んで行った。
「理解ができないです私たちには……」(松田里奈)
同じく学力テストで起きた同問題への伝説の回答「骨白骨白」を残した土生瑞穂が、「“骨を折る”の慣用句です」と意味不明な説明をした時の松田のリアクション。爆笑と混乱が渦巻くひな壇から、おそらくほとんどの視聴者が抱いていた気持ちを丁寧に代弁してくれたガヤである。
「ちょっとヤダ」(小林由依)
おバカ女王を決める早押し対決に参加することになってしまった守屋麗奈に対して、MC・土田が「おバカぶりっ子の2冠があるかもしれない」と期待した際に、すかさず小林が漏らした一言。その真意を聞かれると小林は「おバカでぶりっ子はちょっと厳しいなぁ…」と一刀両断。しかし小林が“危惧”した通り、守屋は女王の座一歩手前まで残る激アツの展開に。ラストまで早押しが盛り上がったのは、この最初のガヤが効いていたからとも言えるだろう。
「大丈夫だよ〜ゆいちゃん〜」(松田里奈)
番組盛り上げテクニック講座で、ゲスト講師の大久保佳代子に“いじられた時の返し方”を伝授してもらい挑戦するも、上手くいかず落ち込んでしまった武元を慰めるような松田のガヤ。全員でフォローする流れを作り上げたその反応の速さもさることながら、泣きそうな時に温かい言葉をかけられると余計泣けてしまう的な人間の心理を利用した、ガヤ側から相手を泣かせにいこうとするスタイルが素晴らしかった。
以上、12のガヤを厳選してみた。
本来ガヤは、必ずしも目立つ必要はない。しかし、番組を盛り上げるためならどんな些細なことでも発言していくべきだと思う。「ガヤは言わないより言ったほうがよくて。『ここは違ったな』『出すぎたかな』というのがあったとしても、自分たちの番組だから問題ないんです」と番組プロデューサーの長尾真氏は言う(『BRODY 2021年4月号』より)。視聴者の印象に残る残らない関わらず、これからも積極的に声を出していってほしい。