GENERATIONS & THE RAMPAGE、コラボ曲で引き出される魅力 6ボーカルの個性が生み出す新鮮な響き
THE RAMPAGEの3ボーカルに関しては「YOUR LIFE YOUR GAME」などの最新曲に近しいパート構成で成り立っており、アルバム収録の「CALL OF JUSTICE」の歌声とはほぼ対照的な印象となった。RIKUから必ず吉野北人にパートが流れることで、美メロを活かしたポップな聴き心地を生んでいることや、ラップとビルドアップ部分を歌う川村壱馬が対比的な存在感を放っている点などがそうだ。そして3人ともに共通しているのが、この曲に合わせてドロップなどの細やかなニュアンスが多用されており、随所で新しい表情が垣間見える点だろう。
また、コラボレーションの面で特に面白いのは、声の印象が大きく異なる片寄と川村が〈交差する宇宙/観測不可能な世界でさえ/飛び越えて〉など同一のパートを歌うことで、対応する2声となっていることだ。ビルドアップ部分でのビブラートの感情的な響き方などを聴いても、2人がそれぞれグループの低音を司る立場であり、意外に類似点もあることが自ずと発見できる。
また、「Alternate Dimension」の詞は、ほとんどのモノが複製可能であるほどに発達した“超東京”と多次元宇宙の世界観を描きながらも、「本当の自分とは何か」「何のために生きるのか」という、いわゆる実存を問う内容となっている。そうして世の仕組みに抗おうとする姿勢は(少なくとも現在公開されている情報からすると)、どちらかというとMAD JESTERS的思想である。その上で、この曲が“VS”ではなく“&”名義で歌われている点からすると、この2チームがどこかで志を共にし、共闘するようなシーンも想像してしまう。今後、この曲が描く内容がさらに明らかになっていくのが楽しみだ。
7月16日には新たな物語として小説『BATTLE OF TOKYO Vol.2』が発売予定であるが、まずは今回の作品が生み出した2組の新たな魅力を「Alternate Dimension」で楽しんでみてほしい。
■日高 愛
1989年生まれの会社員。