『アイドリッシュセブン Third BEAT!』放送直前 アニメ2期で描かれた各アイドル達のストーリーを辿る

『アイドリッシュセブン Second BEAT!』OST

 7月4日より、アニメ3期となる『アイドリッシュセブン Third BEAT!』(TOKYO MXほか)の放送がスタートする。それに向け、昨年に放送されたアニメ2期『Second BEAT!』のストーリーをおさらいしておこう。

 『Second BEAT!』の大きな見どころは、1期でも存在自体は匂わされていたRe:valeの百と千の登場だ。

 『BLACK OR WHITE』の男性アイドル部門にて前年勝者のTRIGGERを下したIDOLiSH7。初の冠番組も決定し、その宣伝のため、トップアイドル・Re:valeの番組に出演することになる。アイドルとして絶対王者の名をほしいままにするRe:valeの楽屋へ恐る恐るあいさつに向かう。最初はいたずらで脅かされるが、その実、百も千も後輩想い。彼らの提案により、リニューアルオープンする「ゼロアリーナ」のこけら落とし公演への出演を推薦してもらえることになる。冠番組開始にこけら落とし公演と順風満帆ーーとは決していかないのが『アイドリッシュセブン』だ。センターである七瀬陸の体の弱さ、和泉三月の抱えるコンプレックス、MEZZO"としてユニットを組む四葉環と逢坂壮五の性格の不一致。アニメ1期で静かに撒かれていたグループが抱える問題という種が、一気に発芽してくるのが『Second BEAT!』の主なストーリーだ。

「アイドリッシュセブンSecond BEAT!」 ゼロアリーナこけら落とし公演『THREE DAYS LIMITED』 告知PV

 陸の体調の不安定さを見て、IDOLiSH7は一時的にセンターを和泉一織に変更することになる。誰よりも陸の才能を認め、陸がセンターであることにこだわっていた一織にとっては苦渋の選択。新生IDOLiSH7自体は順調な滑り出しとなったが、センター交代は一織と陸のファンの対立を生むことになる。

 一方、仕切りとトークの上手さを買われて冠番組『キミと愛なNight!』でMCを務めることになった三月だったが、「他のメンバーが見たいから、人気のない三月はあまり出しゃばらないで欲しい」というファンの声を偶然耳にしてしまう。過去にはアイドルオーディションに何度も落ち、ダンスも歌も周りより劣っていると感じていた三月は、一気に自信を喪失する。

 皮肉なのは、これらのトラブルを引き起こす原因になっているのが、IDOLiSH7のアンチではなく、彼らのファンであるということだ。百がIDOLiSH7のマネージャー・小鳥遊紡に語りかけた「アイドルを苦しめるのは、いつだって、好きの感情なんだよ」というセリフが象徴的だ。

 「好き」という言葉は、それだけ見ればポジティブで肯定的なものとして捉えられがちだ。だが、その「好き」の中身は人それぞれであり、自分の「好き」と誰かの「好き」が相容れないこともある。陸と一織のファンが、それぞれの「好き」ゆえに対立したように。

 ファンからの否定を受け、バラバラになっていくIDOLiSH7を救ったのは、紡が放つ“一億のNOに勝つYES”だった。

「IDOLiSH7は、最高のアイドルです! 私はIDOLiSH7の大ファンです!」

 IDOLiSH7のマネージャーであり、彼らの最初のファンである紡。「好き」に翻弄されたメンバーだったが、ずっと彼らを見つめてきた紡からの「好き」を受けて立ち直っていく。

 そして、再びセンターを陸に戻すにあたり、一織自身がファンに向けて「私が一番、七瀬さんのボーカルが好きです」と宣言。「RESTART POiNTER」という象徴的な曲をもって、IDOLiSH7は再スタートを切っていく。

アイドリッシュセブン『RESTART POiNTER』MV FULL

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる