2PM、テギョン含む“完全体”復帰は新たなパターンに? 東方神起、SUPER JUNIOR、SHINeeら兵役を経て活動するグループ
そして今回、メンバーが欠けることなく「完全体」での復帰を果たす2PMも非常に珍しい形での活動となる。入隊中に所属事務所JYPエンターテインメントとの契約更新時期を迎えたテギョンは、更新せずに俳優ソ・ジソブが所属する51Kに移籍。これまでなら、“移籍=グループから離れる”ことになるのだが、2PMとしての活動を行う際は、JYPが業務委託でマネージメントを行うという異例の方法でグループ活動を続けるという。テギョンは、日本でも話題のドラマ『ヴィンチェンツォ』に出演するなど、現在は俳優としても活躍。彼のように30代アイドルたちは、アイドルだけでなく、俳優業やバラエティ、そしてソロ歌手として……それぞれが自分の得意分野での仕事を中心に行いながら、グループとして活動する形が多い。古くは別々の事務所に所属していたSHINHWAが、グループ活動のために「SHINHWA COMPANY」という会社を設立した例もあるが、今後は事務所を離れても、様々な形で活動を続けるグループが増えていくことだろう。
21カ月だった服務期間は、昨年から18カ月に。軍隊でも働き方改革が進み、2019年4月からは制限付きではあるがスマホ利用が認められるようになり、入隊したアイドルたちも近況をSNSなどで知らせることができるようになった。
6月23日には日本でCNBLUEが除隊後初、3年8カ月ぶりのシングル『ZOOM』をリリースした。彼らは入隊期間中も各人がソロ曲をリリースしたり、映画館でライブ映画を公開したり、未発売映像をDVD化したり、本人不在の間も絶えず供給があったように、事務所も入隊に向けてさまざまなコンテンツを用意してくれる。また、不眠気味だったジョン・ヨンファが規則正しい軍隊生活で快眠を取り戻したり、イ・ジョンシンの軍隊時代の同僚がマネージャーになったりと、本人たちにもマイナスばかりではなかったようだ。
BTSの入隊時期が取り沙汰されているが、世界的な人気と揺るぎのない強固なファンダム=ARMYに支えられている彼らだけに、計画的に入隊を進め空白期間を最小に留めれば、さらなる飛躍も可能だろう。海外アーティストがアルバムを2~3年出さないことはザラだ。2018年の『MAMA(Mnet Asian Music Awards)』でJINが急速に拡大する人気に不安を感じ「解散を考えていた」と涙したが、それを乗り越えた彼らには、この先に怖いものなどないのでは? むしろ、この期間に「보라해(ボラへ)」(メンバーVの造語。直訳は「ムラサキする」だが、「虹の最後の色 紫のように、相手を信じてお互いに末永く愛し合おう」という意味)の絆が試される。2PMのように、復帰時には「ボラへ」した新規ファンが増えていると期待したい。
■坂本ゆかり
レコード会社の制作・宣伝、Webメディアの編集長を経てライターに。女性誌、韓流誌、Webなどで主にアーティストのインタビューを担当。