lyrical school、タイトなチーム感でバラエティ豊かな選曲を披露 3部構成で沸かせたスキルフルなステージ

lyrical school、3部構成で沸かせたステージ

 換気のための10分間のインターバルを経て、「MONEY CASH CASH CASH」にて第2部がスタート。『Wonderland』の中でも最も“何でもあり”なマネートーク全開なこの曲だが、第1部では札束の扇子で盛り上げたhinakoが、今度はマネーガンを手にお札を連射し、始まったばかりの第2部のステージのテンションを急ピッチに上げる。その高いテンションのまま「OK!」「PIZZA」「YABAINATSU」と怒涛のパーティチューンを連発。ファンも歓声を上げられない代わりに、体の動きから盛り上がりが伝わってくる。さらにそこから一旦ムードを変えて、『BE KIND REWIND』と『WORLD'S END』の楽曲を組み合わせたパートが始まる。なかでもエモーショナルな感情がステージ上にも溢れた「YOUNG LOVE」や、ダンスも見事に決まった「Tokyo Burning」など、演出部分も含めてハイレベルなステージングを見せつけながら、第2部は終了した。

 再び10分間のインターバルを経て、ついに迎えたラストの第3部。この第3部の幕開けに、なんとrisanoが一人でステージに現れ、アカペラでのフリースタイルを披露した。

 テレビ番組『フリースタイルティーチャー』(テレビ朝日系)への出演など、フリースタイルにも力を入れているrisanoではあるが、全くの一人でステージに立ち、テーマもなしでアカペラでフリースタイルをするというのは大きな挑戦だろう。本人の緊張もわずかに伝わりながら、言葉一つ一つを丁寧に発して、コロナ禍における今の心情であったり、未来への夢などもリリックに込めてフリースタイルとして完成させていたのはお見事だ。

 そして、他のメンバーもステージに勢揃いし、PESプロデュースの「Bright Ride」と再びvalknee作詞による「FIVE SHOOTERS」がプレイされる。『Wonderland』の中でも切なさ溢れるこの2曲によって、心の中では盛り上がりながらも、同時にこのライブが終盤に差し掛かっていることにも気付かされる。そして、ここで約2時間にわたるショウの中で唯一のMCタイムが挟まれ、メンバーによる改めての挨拶とともに、今夏に開催される次のツアー日程の発表も行われ、ファンを喜ばせた。

 そしてラストを締め括ったのは、『Wonderland』でも最後の2曲であった「Curtain Fall」と「SEE THE LIGHT」だ。9拍子というかなり変則的かつ独特の空気感のある「Curtain Fall」を5人は見事に歌い上げ、「SEE THE LIGHT」では明るい輝く未来をラップと歌で伝えながら、最後は照明が暗転。心の中がどこかホッコリしながら、『lyrical school oneman live tour 2021』東京公演のステージは静かに幕を閉じた。

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