ラストアイドル 長月翠、グループ卒業発表に寄せて 多くの人を惹きつけてきた自分の信じる道を突き進む姿
卒業発表があった5月31日にはSHOWROOMで生配信を行い、ファンに向けて卒業報告を行った。その中で、筆者が最も印象的だったのは、心残りに「阿部菜々実が好きなようにやってくれるグループにしてほしい」という思いがあるということだった。以前、インタビューで長月に阿部との関係性を聞いた際、「ラストアイドルってなった時に、背中を貸しあえるのは阿部しかいない。ヤンキーもののドラマで、背中を守るぜみたいな感覚なんですよ」と答えてくれたことがあった(※1)。阿部は「バンドワゴン」のセンターを務めた時から、ラストアイドルの絶対的エースとして君臨し続けているメンバー。「幸せにライブをしてほしい。ななについていく、それがラストアイドルだから。支えるのが私たちの役目」とSHOWROOMで話す長月からは、阿部への信頼とメンバーの卒業を経て7人から4人になった今のLaLuceの一人として思いを託す姿が見て取れた。
卒業理由については「長月翠として何ができるのか、何を成し遂げたいのか考えるようになりました」としているが、卒業後に何をするかは決めておらず、今はグループを飛び出して新たな自分を見つけたいのだろうというのが話を聞いていて感じる思いだ。憧れのアメリカに行く夢を叶えた1st写真集『意外性』や2020年9月に出演したYouTubeドラマ『DISTORTION GIRL』の経験など、グループにいながらも個人としての活動も充実していた長月。ジャズシンガーの母の影響を受け、ラストアイドル随一の歌唱力を誇るメンバーでもあった長月にはこの先も歌い続けてほしい気持ちもある。グループ活動終了となる7月末まで約2か月。残されたメンバーにラストアイドルとしての思いを継承しながら、自分が新たに信じられる道を見つけてほしい。
(※1)https://realsound.jp/2020/04/post-538374_3.html
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter