EXILE THE SECOND メンバー分析【入門編】Vol.1:橘ケンチ
EXILE THE SECOND 橘ケンチ、妖艶なオーラで魅了するリーダー 日本酒、書店、語学......文武両道に活動広げる“誠実な紳士”
1999年、パフォーマーのHIRO(EXILE HIRO)を中心に、MATSU(松本利夫)、ÜSA、MAKIDAI、ボーカル SASAの5名で結成されたEXILEの前身グループ、J Soul Brothers。その魂を受け継ぐダンス&ボーカルグループが、EXILEとしても活躍する派生グループEXILE THE SECONDである。メンバーは、EXILE HIROプロデュースの新生 J Soul Brothers(二代目)として、2007年から活動を続けてきたパフォーマー 橘ケンチ、黒木啓司、EXILE TETSUYA。『EXILE VOCAL BATTLE AUDITION 2006 ~ASIAN DREAM~』に参加した実力派ボーカル EXILE NESMITH、EXILE SHOKICHI。そして、長年EXILEの一員として活躍し、2016年に加入したEXILE AKIRAの6名。オリジナルメンバーが全員勇退したEXILEにおいて一番上の世代となる彼らは、役職に就いているメンバーも多く、アーティストの枠を越えて所属事務所LDHを支える存在となっている。本稿では、そんなEXILE THE SECONDのメンバーを1人ずつフィーチャー。第1回はリーダーの橘ケンチについて、グループの歴史を絡めながら紹介していく。
最年長の橘ケンチは、9月28日生まれで神奈川県出身。今でこそ身長180cmのモデル体型だが、意外にも「小学生の頃は小さくて背の順でいつも一番前だったんですよ」と語る彼は、子どもの頃から運動神経が抜群。小学生の頃はサッカーチームに入っていたり、地元・横須賀の友人とよくバスケットボールをやっていたそうで、スポーツ選手に憧れていたという。そんな彼がダンスと出会ったのは、高校生の時。体育祭の出し物でダンスを踊ることになったのを機に、LL BROTHERSが出演している『ダンス甲子園』のビデオを観て、ダンスに興味を持つと、見様見真似でダンスを練習しながら「大学生になったら絶対ダンスをやろう」と心に決めたそうだ(※1)。
だが、1浪した末に大学に進学したものの、1年間踊ることを我慢していた橘にとって、大学のダンスサークルは物足りなかったようで、自腹でダンススクールに通い始めるように。そこでインストラクターをしていたのが、EXILE HIROと共にJapanese Soul Brothers(J Soul Brothersの原型といえるグループ)を結成したダンサー BOBBYだった。ヒップホップシーンにおけるレジェンド的存在のBOBBYから学んだことで、さらにダンスに夢中になった彼は、ダンスを仕事にすることを決意。就職活動をしないといけない時期になっても、レッスンやクラブで踊り明かしていたそうで、「クラブから朝帰りすると朝飯食べている出社前の親父(おやじ)とよくバッティングして超気まずかった。今は大丈夫、家族は応援してくれてますから(笑い)」(※2)というエピソードも語っている。
2002年には、地元・横須賀でEXILE TETSUYAと共に4人組のダンスチーム POLY−3を結成。EXILE TETSUYAとは現在も“横須賀コンビ”と呼ばれており、POLY−3は横浜、横須賀、東京のクラブイベントを中心に活動していた。その頃、同じようにアンダーグラウンドで活動していたEXILE AKIRAと出会い、2004年8月、EXILE AKIRAの紹介でEXILE主演のミュージカル『HEART of GOLD ~STREET FUTURE OPERA BEAT POPS~』にサポートダンサーとして出演。EXILE HIROとはBOBBYのダンススクールに通い始めた頃から面識があったようだが、実際に一緒に仕事をして話したことで「男惚(ぼ)れ」したそう(※3)。バックダンサーやショーダンサーとして働くのではなく、EXILE HIROのようにメジャーシーンで生きていきたいと思い始めたという。一方で、舞台をきっかけに出会った松本利夫(EXILEのオリジナルメンバー)から、当時松本がオープンさせようとしていたアパレルショップ LMD(24karatsの前身ブランド)でアルバイトをしないかと声をかけられ、LDHに社員として入社。2020年に『シブザイル』(Abema TV)に出演した際には、「社員だからデスクもあったよ。当時はアパレルのデスクがふたつしかなくて、アパレルの荷物を運んでいました」(※4)と明かし、後輩達から驚かれる場面もあった。
2005年1月には、EXILE TETSUYA、黒木啓司とともにダンスチーム FULCRUMを結成。その後、EXPGでインストラクターとして働きながら、EXILES(EXILEの派生ユニットなどの総称)が行った第1回武者修行にダンサーとして参加し、2007年、武者修行がきっかけで新生J Soul Brothers(二代目)のメンバーに抜擢される(※5)。当時のJ Soul Brothers(二代目)には、橘ケンチ、黒木啓司、EXILE TETSUYA、EXILE NESMITH、EXILE SHOKICHIの他、現在三代目 J SOUL BROTHERSとして活動しているEXILE NAOTO、小林直己が所属しており、7名で全国武者修行ツアーを行ったり、EXILE初のドームツアー『EXILE PERFECT LIVE 2008』に出演したりと、約2年間の下積みを経験した。しかし、以前から、EXILE HIROの中にはJ Soul BrothersのメンバーをEXILEに加入させたいという想いがあったようで、2009年2月25日、J Soul Brothers(二代目)はアルバム『J Soul Brothers』で念願のメジャーデビューを果たしたものの、4日後にはJ Soul Brothersとしての活動を終了。EXILEが第三章に突入するタイミングで、7名全員がEXILEに電撃加入することが発表された。そして、新生EXILEの一員として活躍の幅を広げる中、2012年、EXILE AKIRAを除く5名から成る派生ユニット THE SECOND from EXILEがシングル『THINK 'BOUT IT!』でメジャーデビュー。THE SECOND from EXILEの活動頻度は高くなかったが、2016年にEXILE THE SECONDに改名し、EXILE AKIRAが加入すると精力的に活動するようになった。橘自身も、2014年のEXILE第四章始動に伴い、芸名をKENCHIから橘ケンチに改名しており、2015年にはEXILE THE SECONDのリーダーに就任。その頃から俳優として主演を務める機会も増え、個人での活動に力を入れていることが窺える。