“センター不在”でも人気獲得 NiziUに学ぶ「全員主人公」なグループの強み

 さらに、NiziU楽曲の振付におけるフォーメーション移動も、NiziUが「全員主人公」なグループであることを裏付ける要素となっている。

 “縄跳びダンス”(「Make you happy」)や“うさぎダンス”(「Step and a step」)など、バイラル化した振り付けも多いことから、NiziUのダンス=真似しやすくキャッチーというイメージがついつい先行してしまうのだが、それだけでなく、容易には真似しがたい複雑なフォーメーション変化も彼女たちのパフォーマンスにおける魅力となっている。

NiziU 2nd Single『Take a picture』 Dance Performance Video

 例えば最新曲「Take a picture」のDance Performance Videoでは、目まぐるしく変化していくフォーメーションの中で各メンバーが次々とセンターに立ち、それを周りのメンバーが華やかに囲む。このダイナミックな構成により、全員の“見せ場”が全体像として設けられることで、彼女たちが「全員主人公」として見る者の心に強く印象付けられるのだろう。

 また『Nizi Project』中から各自の得意分野のみならず、自らのさらなる才能の開花に対して果敢に取り組んできた9人だけに、「全員主人公」たる彼女たちそれぞれの強みは多彩なものとなり、グループをよりいっそう輝かせていくことと思う。今後のNiziUが遂げる進化は、これからも私たちの胸を大いに高鳴らせてくれると同時に、アイドルシーン全体にも影響を与えていくだろう。

※1:https://realsound.jp/2021/02/post-713529.html

■菅原 史稀
編集者、ライター。1990年生まれ。webメディア等で執筆。映画、ポップカルチャーを文化人類学的観点から考察する。Twitter:@podima_hattaya3

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