“センター不在”でも人気獲得 NiziUに学ぶ「全員主人公」なグループの強み

 かつてのモーニング娘。における安倍なつみや後藤真希、アイドル戦国時代を拓いたももいろクローバーZにおける百田夏菜子、また元欅坂46メンバーの平手友梨奈など、アイドルグループにおける“絶対的センター”は、多くの人々の記憶に深く刻まれるかけがえのない存在だ。

 文字通りグループの中心に立って全体のイメージを確立する“センター”は、特に日本のアイドルシーンにおける共通概念としてファンやメディアによって他称されたり、時にはアイドル本人たちによって自称されたりもする。

 また、以前まではアイドルグループを取り巻き「センターは誰なの?」「このグループの次期センターは〇〇」といった会話が当たり前のように交わされていたように、日本のアイドルシーンにおいて主流とされていたこの“センター”制度だが、近年では特定のメンバーを明確な“センター”と見なさずに活躍をみせるグループも多い。

NiziU『Take a picture/Poppin' Shakin'』
NiziU『Take a picture/Poppin’ Shakin’』

 なかでも昨年誕生し、現在では国民的グループとも称されるほどの人気ぶりを誇るNiziUは、各メンバーがそれぞれに持つ多様な魅力を最大限に発揮させるパフォーマンスにより、まさに「全員主人公」なグループである点が目を引く。NiziUが「全員主人公」なグループたるゆえんには、彼女たち自身の輝きはもちろんのこと、日本だけでなくK-POPシーンの特性が取り入れられたグローバルグループであることが大きく関わっているように考えられる。

 K-POPシーンでは、日本のように“センター”制度が一般的ではないのに対し、“リードボーカル”や“メインボーカル”、“メインダンサー”、そして“リードラッパー”“メインラッパー”といったポジションが設けられている。NiziUにおいては、(リーダーのMAKO以外)メンバーのポジションが公式的に発表こそされていないものの、各自のパフォーマンスにおける長所にフォーカスを当てることでポジションを定義するK-POPならではの視点により、楽曲やその振付そのものが各メンバーにスポットライトを当てるような構成となっているのだ。

NiziU(니쥬) Debut Single『Step and a step』MV

 例えばデビュー曲「Step and a step」サビでは、MAKOが同楽曲のポイントとなるステップの振り付けをパワフルに印象付けながら“一歩ずつ踏み出すこと”の大切さをポジティブに伝えているが、ここではオーディション番組『Nizi Project』において、エネルギッシュさと誠実さが同時に表れる「I’ll be back」(2PM)のパフォーマンスで見る者を圧倒した彼女ならではの魅力が表れているように思う。

NiziU(니쥬) 2nd Single 『Take a picture』 MV

 また最新曲「Take a picture」の落ちサビにおいて、たおやかな身のこなしとしっとりとした歌声が視聴者の心に深く染み入るようなMIIHIのパートは、同じく『Nizi Project』における「Nobody(Rainstone remix)」(Wonder Girls)のパフォーマンスを想起させる。

 またNiziU楽曲では必要不可欠となっているラップパートでは、“NiziUのラップライン”と呼ばれるRIMAとMAYUKAがそれぞれフィーチャーされ、二人の異なる輝きを放つ個性が楽曲に強烈なインパクトを与えている(※1)。



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