香取慎吾、King & Prince、LiSA……5月19日リリースより新譜5作をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は5月19日リリース作品より、香取慎吾『Anonymous (feat.WONK)』、King & Prince『Magic Touch / Beating Hearts』、LiSA『LADYBUG』、でんぱ組.inc『プリンセスでんぱパワー!シャインオン!/千秋万歳!電波一座!』、FANTASTICS from EXILE TRIBE『STOP FOR NOTHING』の5作品をピックアップした。(編集部)

香取慎吾『Anonymous (feat.WONK) 』
香取慎吾『Anonymous (feat.WONK) 』

 多彩なジャンルを横断する存在として、SALUや向井太一、yahyelといったアーティストたちと意欲的に共演を重ねる香取慎吾。今回の新曲「Anonymous (feat.WONK)」は、自身出演のTVドラマ『アノニマス~警視庁”指殺人”対策室~』主題歌として、“暗闇の世界から光が見える”というメッセージを込めたものに。暗闇で苛まれる苦悩を、うねるようなシンセサイザーやピアノの旋律で描き、その下地にはトラップビートを採用していることから、2010年代後半にイギリス・ロンドンでブームとなったベースミュージックのサブジャンル・ウェーブを意識したのだろう。同ジャンル特有の重厚感あるキックに揃えて、香取のどっしりと構えた歌声も楽曲をますます力強く引き立てる。(一条)

香取慎吾「Anonymous (feat.WONK)」 Music Video _ Limited ver. (Short)

 King & Princeにとって初の両A面シングル『Magic Touch / Beating Hearts』には、彼らが今まさに、海外展開への確かな野望を抱いていると想像させられた。 全編英語詞に加えて、グループの持ち味であるサビのユニゾン歌唱から離れ、メンバー5名のソロパートだけでワンコーラスを構成する挑戦的な歌割りとなった「Magic Touch」は、その象徴といえる。華やかなブラスファンクが映える「Beating Hearts」も、歌詞のほとんどが英語となっており、日本語はあくまでフレーズ間の“繋ぎ”として作用。こちらは彼らの“プリンス”らしい、のびやかな歌声を楽しめる一曲だ。それにしても「Magic Touch」のように、約3分程度のミニマルなヒップホップを表題曲に持ってくるとは。大胆な決断である。(一条)

King & Prince「Magic Touch」MV -Dance ver.- YouTube Edit
LiSA『LADYBUG』(通常盤)
LiSA『LADYBUG』(通常盤)

 10周年を迎えられたのは、人生における予想外の“バグ”。テントウムシのような色合いの赤と黒、ポップとロックを同時に表現しながら、さらなる可能性を求めて飛び立つ。10周年を記念したミニアルバム『LADYBUG』でLiSAが示したのは、シンガー/アーティストとしての新たな進化だ。作家陣にTAK MATSUMOTO、薔薇園アヴ、北川悠仁、高橋浩一郎(onetrap)などが参加。初タッグを数多く実現させ、音楽的な多様性とボーカル表現を飛躍的に向上させているのだ。本作の最後を飾るのは、デビューミニアルバム『Letters to U』(2011年)と呼応する「Letters to ME」。たくさんの感謝を噛みしめながら、〈この先もずっと 私はわたしを愛せたらいい〉という決意を描いたこの曲によって彼女は、次のフェーズに向かって進んでいくことになりそうだ。(森)

LiSA ミニアルバム『LADYBUG』全曲試聴MOViE

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