香取慎吾は新しい才能に光を当て続けるーー新世代とのコラボや共演から生まれる刺激の数々

香取慎吾
香取慎吾

 香取慎吾が新しい地図の1人として活動し始めて、およそ3年半。SMAP時代も合わせると30年以上もの間、彼がエンターテインメントを追求し続けている姿を私たちは見ている。既成概念にとらわれず、常に新しい意識を持つ香取は、インターネットというツールを手に今この瞬間も前に進もうと模索しているに違いない。

 そんな香取は、配信でのみ発表していた「Anonymous(feat.WONK)」を5月19日にフィジカルリリースする。 『アノニマス~警視庁”指殺人”対策室~』(テレビ東京系、以下『アノニマス』)主題歌として、 ドラマ第1話のエンディングにて初解禁された同楽曲は、当初は香取慎吾の名前も伏せられていながら、その聞き馴染みある声とWONKによる先進的なダンストラックの組み合わせに誰もが耳を奪われた。香取にとってコラボレーションとは、新しい意識を手にする場でもあると同時に、己を通して視聴者やリスナーに新しい刺激、そして才能に触れてもらう手段でもあるのだ。

香取慎吾「Anonymous (feat.WONK)」 Music Video _ Limited ver. (Short)

 音楽面だけ見てもWONKをはじめ、yahyel、須田景凪、向井太一、たなか、BiSHなど、それぞれのスタイルで今まさに躍進しているアーティストとコラボしている香取。また、自身のYouTubeチャンネルでは“しんごちん”に扮し、YOASOBI「夜に駆ける」、LiSA「炎」などをカバー。単にそのとき話題の楽曲を旬な見せ方で歌っただけではなく、そこには香取慎吾の無邪気な音楽愛を感じることができるように思う。

夜に駆ける/YOASOBI 歌ってみた!しんごちん【香取慎吾】

 流行りに伸るか反るかを考える以前に、「良い曲! 歌いたい!」が先行する、それが香取の強みであり、また歌われた側への純粋なリスペクトでもあるのだ。音楽は、いかに人に聞かれ、そして歌ってもらえるかで価値が大きく変わる。香取の歌を聞いて、新しい音楽に出会うことができた、そんな人も多いのではないだろうか。

 では、俳優としての活躍ではどうか。先に触れたドラマ『アノニマス』では香取演じる万丞渉の相棒・碓氷咲良を関水渚が演じた。関水は共演した香取について、「本当に明るくて笑顔が素敵な先輩なのですが、役に入るとガラッと変わり、まったく笑わなくなる」とインタビューで答えており(※1)、その存在の大きさから「明るく前向きに頑張れるパワーみたいなものが生まれます」と、役を超え、役者として受けた香取からの刺激について触れている。

アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~ 215秒Ver

 もちろん、香取としても久々のドラマ出演でいつも以上に気合いが入っていたかもしれないが、それでも役者・香取慎吾が放つオーラは確実に若い世代の意識に刺激を与えていた。きっとその刺激によって、私たち視聴者も回を増すごとに、香取、そして関水の演技にのめり込んでいくことができた。

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