BTS、『ロッテコン』前にライブパフォーマンスの見どころをおさらい スキルの高さと熱量がポイントに

 5月16日、今年も『ロッテ免税店ファミリーコンサート(通称:ロッテコン)』の日がやってくる。『ロッテコン』は例年韓国で開催されており、今回で31回目を数えるK-POPファンの間でもおなじみのイベントだ。感染症拡大防止の観点から残念ながら昨年に続きオンラインでのイベントになったものの、例年通り豪華な顔ぶりを一気に楽しむことが出来る最高のラインナップだ。『ロッテコン』の常連であり、ロッテ免税店のイメージモデルも務めているBTSの出演も発表になっている。

BTS「Butter」
BTS「Butter」

 BTSといえば、豊富なコンテンツはもちろんライブでのパフォーマンスに魅了されて彼らを応援しているファンも多いはず。『ロッテコン』でのステージを目前に、改めてBTSのライブパフォーマンスの魅力を考えてみたい。

 そもそも、彼らのパフォーマンスにおけるスキルの高さなしにはBTSのことは語れないだろう。ライブに行って思うことの1つは、彼らの生の歌は音源の通りのようでもあるし、ある意味では音源の通りではないということだ。この一見矛盾した表現には、彼らの高いスキルとライブにかける熱量が関係している。

 BTSの楽曲の多くは、低音のメロディもあるが基本的にはサビでは高音が鍵となる。ボーカルラインを務めるJIN、JIMIN、V、JUNG KOOKは、それぞれその全てに対応できる歌声を持っている。そしてその歌声は、ライブでも音域の広い楽曲を音源通りに綺麗に歌い上げることが出来る安定したものだ。

 しかしこの4人の声は、新曲でも一度聴けばファンなら確実にどこが誰のパートか理解できるほどに性質の違いがある声なのだ。にも関わらず、彼らの歌声はどこを組み合わせても相性がいい。それを実感できるのがライブでの生歌ではないだろうか。ここが、“音源通りではない”彼らの生歌の意味するところだ。ライブパフォーマンスの際には、音源ではさりげなく入れ込まれているハモりが少し前に出てくることが多い。そのため、彼らのハーモニーをよりしっかり聴くことが出来るのだ。また、音源にはない部分でハーモニーを重ねてくるときもある。JUNG KOOKに至っては、ラップラインのヒョン(SUGA、J-HOPE、RM)に息をピッタリと合わせ、巧妙なテクニックでラップにメロディを重ねていく。こうした彼らの声の重なりを直で感じることが可能なのは、ライブパフォーマンスならではだ。

 それだけではない。ラップラインのSUGA、J-HOPE、RMの生のラップには、見るものが圧倒されるほどの迫力を感じる。彼らのラップ、特に3人で歌い上げる楽曲においてはもはやそれを音源通りと言いたくはない。ラップが崩れるということは確実にない。聴衆はただただ、その熱の入り方と魂の叫びに魅了される。強く、どこか悲しみも混じったような彼らのラップは、音源でも感じているつもりだった感情を何倍にもしてぶつけてくる。それを受け取れるのがライブパフォーマンスの魅力だ。

 一方でボーカルラインとの曲ではすっきりとしたラップも。たくさん並んだ単語がすっと耳に入っていくような感覚だ。リズムを崩さず、心地いいテンポで言葉を紡いでいく。こうしたラップも前述のラップも、どちらも高いスキルなくして出来ることではない。

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