甘党男子、グループの4周年をファンとお祝い ”ライブパフォーマンスユニット”として向かう新たな夢
「ワールドスイーツトレンドアイドル」をコンセプトとする7人組ユニット・甘党男子が4月28日、SHIBUYA TSUTAYA O-EASTで『甘党祭~4th anniversary party~』を開催した。東京都に3度目の緊急事態宣言が発出されたことを受け、直前まで公演の可否が検討されていたそうだが、感染予防対策を行った上で開演時間を繰り上げ、内容を若干縮小することで無事、開催の運びとなった。コロナウイルスの影響で中止になってしまった昨年の3周年ライブの雪辱を果たすべく、会場に集まったファンとグループの4周年を盛大にお祝いした。
開演時間を過ぎると、甘党男子の弟分である甘党ジュニアがオープニングアクトとして登場。「チョコレート」「ドーナツ」というキラーチューンで会場をしっかり温めた後は、いよいよ本日の主役、甘党男子の出番だ。1曲目の「BIRTHDAY CAKE」からハイテンションで煽りまくっていく7人は、各自の個性をハジけさせながら、様々なフォーメーションを駆使したダンスパフォーマンスでユニットとしての一体感を見せつけていく。曲のラストで「今日は何の日か知ってる? 甘党男子の誕生日!」と歌詞を変えて歌うことで、お祝いムードはしょっぱなからグイグイと加速していった。
「今日は1日、ドカンと盛り上がって行こうぜー!」(室井一馬)
そんな言葉を合図に、楽しいスイスイダンスで一足早く夏のムードを演出した「スイカ」や、ロックンロールのエッセンスを盛り込んだサウンドでフロアを大きく揺らした「COOKIE」を間髪入れずにプレイ。誰もが知っているスイーツをモチーフにした楽曲群は、親近感の沸くメンバーたちのキャラクターと相まって、圧倒的なキャッチーさをもってオーディエンスの心をしっかりととらえていく。
続く「たいやき」ではたい焼き担当の神久保翔也がリードを務め、「御手洗団子」はおだんご担当・成瀬敦志のしっとりした歌声で幕を開けた。担当スイーツに合わせてスポットの当たるメンバーが次々とチェンジしていくのも楽しいところだ。ダンスをきっちり見せつつも、フリーのパートでは室井と三上義貴が馬跳びをしながらステージから消えてしまう瞬間があったりと、自由奔放にライブを楽しみ尽くしているメンバーたち。その姿に観る側は自然と笑顔にさせられてしまう。
「甘党男子です。よろしくお願いします。せーの、いただきまーす!」
あらためての挨拶とともに7人それぞれが自己紹介をした後は、結成からの4年の軌跡を辿る映像を挟み込みながらライブは続いていく。室井、石塚利彦、三上、成瀬、木村ともやの5人で歌われた「クレープ」では、間奏で室井がソロダンスをバッチリ決める。7人がスタンドマイクで披露したのは「チョコバナナ」。大切な人に向けたあたたかな感情が、思いのこもった歌声で届けられる。2019年にはるな愛をフィーチャーしてリリースされたディスコチューン「ハニートースト」は、7人バージョンで披露。ミラーボールがキラキラと光の粒を降らせる中、息の合ったダンスを見せるメンバーたちに、オーディエンスはクラップで華を添えていた。このパートの楽曲はすべて、楽曲発表当時の衣装で歌われたため、昔からのファンはビジュアル面からも甘党男子の歴史を振り返ることができたのではないだろうか。
9曲目はこの日が初披露となった新曲「パンナコッタ」。昨年予定されていた3周年ライブで歌うことが叶わなかったため、1年越しの思いをぶつけたパフォーマンスとなった。黄色とチェック柄を基調とした新衣装に身を包んだメンバーたちは、彼らにとって新機軸となるジャズフレイバーのサウンドにのせ、物語性を感じさせるダンスパフォーマンスで新たな世界観を見せていく。コロナ禍以前の甘党男子のライブでは、楽曲の間奏でスイーツの食レポをしたり、観客たちへのお菓子配りをしていた。それが彼らにとって大きな武器であり、スイーツをコンセプトにしたユニットとしてのひとつのアイデンティティでもあったのだろう。だが、感染予防の観点からその武器が使えなくなったため、これまでの楽曲の間奏にも新たに振りをつけることになったのだという。いわば、それは自分たちのダンスと歌だけで楽曲の世界を表現しつくし、ファンを喜ばせなければいけない状況だ。メンバーたちには様々な葛藤もあったことだろう。だが、この日のライブでは食レポやお菓子配りに頼らずともライブを成立させるという甘党男子の新たな表現の形がしっかりと提示されていたように思う。これはユニットとしての大きな一歩だし、今後コロナ禍が収束した暁には、これまでの武器を加味することで他にはない甘党男子だけのライブスタイルがきっと完成することになる。新曲「パンナコッタ」を聴きながら、結成4年にして迎えた甘党男子の新たなフェーズへの期待がぐんぐん膨らんできたのはきっと僕だけではないはずだ。