K-POPガールズグループの勢力図に変化? Brave Girlsの大躍進、WeeeklyやSTAYCの登場……最新注目株を解説
STAYCと同時期にデビューした7人組のPURPLE KISSは、卓越した歌唱力とダンス能力を持ち、作詞・作曲・振り付けもメンバーが積極的に関わる“バランスドル(バランス+アイドル)”として注目度がアップしている。それを証明するように今年3月にリリースした1stミニアルバム『INTO VIOLET』は、2020年から現在までにデビューしたガールズグループの初アルバムの中で、最も多くの初動販売量を達成したという。リードトラック「Ponzona」における新人らしからぬ堂々としたボーカルは、どことなくBLACKPINKと似たテイストがあり興味深い。
前述の3組より少しだけ先輩となる6人組のEVERGLOWは、近い将来にK-POPシーンに欠かせない存在になるのではないかと期待するグループのひとつである。彼女たちが昨年出した「LA DI DA」は、国内はもちろん海外でも高く評価された1曲で、アメリカのビルボードが発表した「2020年最高のK-POP曲20選:評論家推薦(The 20 Best K-Pop Songs of 2020:Critics' Picks)」で1位を獲得し(※2)、ニュース雑誌『TIME』の「2020年のK-POPの代表曲&アルバム(The Songs and Albums That Defined K-Pop's Monumental Year in 2020)」にも選ばれた(※3)。この勢いだと新作で自己最高の成績を残すのは間違いなさそうだ。
アメリカで人気が高いグループと言えば、LOOΠΔ(今月の少女)も忘れてはいけない。最新ミニアルバム『Midnight』がビルボード200に入り、収録されている「Star」が北米のラジオチャートで人気曲になるなど、ここのところの話題は海外が多い(※4)。本国での人気も急上昇中の彼女たちは、K-POPシーンを大きく揺るがしそうな気配が強く感じられる。
以上のような注目株がガールズグループの現状のランキングをどのように変えていくのか。それを追うだけでも2021年のK-POPシーンは十分に楽しめそうである。
※1:https://www.wowkorea.jp/news/enter/2021/0411/10295055.html
※2:https://www.billboard.com/articles/news/list/9504174/best-kpop-songs-2020-top-20/
※3:https://time.com/5920059/best-kpop-2020/
※4:https://jp.yna.co.kr/view/AJP20210304004400882
■まつもとたくお
音楽ライター。ニックネームはK-POP番長。2000年に執筆活動を開始。『ミュージック・マガジン』など専門誌を中心に寄稿。『ジャズ批評』『韓流ぴあ』で連載中。2021年5月16日に著書『K-POPはいつも壁をのりこえてきたし、名曲がわたしたちに力をくれた』を発売予定。