Little Black Dressの音楽にある“懐かしさと新しさ” 成田昭次とのコラボでも注目

元・男闘呼組 成田昭次迎えた「哀愁のメランコリー」不思議な魔力

 Little Black Dressの最新曲「哀愁のメランコリー feat. 成田昭次」は、1981年のヒット曲でザ・ヴィーナスが歌った「キッスは目にして!」の一節をモチーフにしながら、1960年代に日本で流行したグループサウンズやエレキブームを今によみがえらせた。その時代特有の跳ねたビートとチャキチャキとしたギター、そこに重なるメロディは哀愁が漂い、全体として実に歌謡曲的なテイストを持っている。

 作曲・編曲の荒木真樹彦は、1980年代末頃から1990年代初頭に活躍したシンガーソングライターで、近年は楽曲提供やCMソングの制作をメインに活動している。嵐の「どんな言葉で」の作編曲や、KinKi Kidsの「キミは泣いてツヨくなる」の作曲などを手がけていることで、ジャニーズファンには知られた存在だ。そこに荒木と同じ1988年にデビューした男闘呼組の元メンバーである成田昭次をフィーチャリングしたことは、80年代に青春時代を過ごした歌謡曲ファンや往年のジャニーズファンにとってもうれしい伏線だと言えるだろう。

 40代以上には懐かしく若者には新しい、この楽曲の持つ不思議な魔力の一端は、歌詞に度々出てくる「ワナ」という言葉にある。「ワナ」は、「罠」であり「Wanna」でもあり、危険な駆け引きをしながら愛を全うしようとする情熱的な恋が、ここには表現されている。2番では「ワナ」が「メラ」に替わるというギミックもあり、ここではタイトルにもある「メランコリー」とメラメラと燃える様子を表現した。この「ワナ」と「メラ」という、カタカナのたった二言から、地獄の果てまで一緒にいたいといった情熱的な恋愛模様が感じ取れ、そこにLittle Black dressの抜群のセンスを感じる。

Little Black Dress「哀愁のメランコリー feat.成田昭次」MUSIC VIDEO

 昨年11月にライブで初共演を果たした二人。どこか大人の色気を漂わせながら、愛情を真っすぐぶつけるように歌うLittle Black Dressと、それを酸いも甘いもかみ分け大人の器で受け止めるように歌う成田昭次。コラボレーションの集大成とも言えるこのデュエットでLittle Black Dressの新たな魅力が花開いている。

■榑林史章
「山椒は小粒でピリリと辛い」がモットー。大東文化大卒後、ミュージック・リサーチ、THE BEST☆HIT編集を経て音楽ライターに。演歌からジャズ/クラシック、ロック、J-POP、アニソン/ボカロまでオールジャンルに対応し、これまでに5,000本近くのアーティストのインタビューを担当。主な執筆媒体はCDジャーナル、MusicVoice、リアルサウンド、music UP’s、アニメディア、B.L.T. VOICE GIRLS他、広告媒体等。2013年からは7年間、日本工学院ミュージックカレッジで非常勤講師を務めた経験も。

Little Black Dress「哀愁のメランコリー feat.成田昭次」

■ライブ情報
2021年5月15日(土)Billboard Live YOKOHAMA
2021年5月28日(金)Billboard Live OSAKA
公演時間、チケット発売に関する情報は、Little Black Dressオフィシャルホームペー ジ、Billboard Liveホームページにて

■リリース情報
2021年3月31日(水)DIGITAL SINGLE 「哀愁のメランコリー feat.成田昭次」発売
2021年4月21日(水)DIGITAL SINGLE 「心に棲む鬼」発売
2021年5月12日(水)DIGITAL ALBUM「タイトル未定」発売

■ラジオ情報
Inter FM 毎週木曜日 20:00~21:00『TOKYO MUSIC SHOW』 https://www.interfm.co.jp/tokyomusicshow

Little Black Dress
HP: https://littleblackdress.website/
YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCr8txkyXFSctm0W7Rwry11Q
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