My Bloody Valentine、サブスク再配信でバイラルチャート首位に　マイブラが日本に残したシューゲイザーの遺伝子

　さて。今週のバイラルチャートは、じつに面白い。

　英・米・日・グローバルなどのバイラルチャートを見渡してみても、4月1日付のウィークリーチャートで、マイブラが1位を獲得しているのは日本だけである。お足元、英国のチャートでさえ「When You Sleep」の2位。グローバルチャートには、1曲もランクインしていない。米国のチャートも然り。

　この現象は、日本の音楽シーンにおいて、マイブラが残したシューゲイザーというスタイルまたは手法が、形を変えながら脈々と残り続けた証拠と言えるのではなかろうか。例えば、バンド名の認知度で言えば、1990年代のスーパーカー、2000年代のTHE NOVEMBERSや2010年代のきのこ帝国などが、その脈になるだろう。

　そして2021年。前述したように、過去楽曲の再配信直後に、日本のバイラルチャートで1位を獲得したマイブラ。この結果が、日本のバンドシーンの今後を予言しているような気がしてならない。日本の音楽シーンの中で、シューゲイザーがこれからどんな存在感を発揮し、どう枝分かれしていくのか。想像するだけで個人的には酒の肴になりますな。

　本当、バイラルチャートって、掘るほどに面白い。

■伊藤亜希
ライター。編集。アーティストサイトの企画・制作。喜んだり、落ち込んだり、切なくなったり、お酒を飲んだりしてると、勝手に脳内BGMが流れ出す幸せな日々。旦那と小さなイタリアンバル（新中野駅から徒歩2分）始めました。
Piccolo 266 インスタグラム（@piccolo266）