この夏最も濃い一夜に? 開催迫る『ソニックマニア』全ラインナップをチェック
8月中旬になり、今年の夏フェスも後半戦に突入して来た。野外型、都市型と様々なロケーションで、様々なアーティストが今年も素晴らしいパフォーマンスを見せてくれているが、その中でも深夜型としてディープな魅力を放っているのが8月17日開催の『ソニックマニア(SONICMANIA 2018)』だ。
ロック中心のステージ「CRYSTAL MOUNTAIN」、ダンスミュージック勢による「SONIC WAVE」、ジャズ、ファンク、インストゥルメンタル・ヒップホップを中心としたFlyng Lotus率いるインディレーベル<Brainfeeder>のアーティストが集結する「SPACE RAINBOW」と、3つのステージで平行にパフォーマンスが繰り広げられるのだが、今年のラインナップはとにかくヤバい。何がヤバいかと言うと、どの時間、どのステージにいても、間違いなく脳が揺れるか、回るか、トぶかしているのである。タイムテーブルを眺めるだけでも、酩酊してくる。そんな「真夏の夜の夢」を彩るラインナップを、完全予習版として改めてご紹介しよう。
CRYSTAL MOUNTAIN
Cornelius
すでに説明をする必要もないかもしれないが、小山田圭吾によるソロユニット。昨年のフジロックやツアーでのステージも語り草になっているが、精密に刻まれる各セクションの音の交差が立体的な音像となり、それが映像や照明と完全にリンクすることで、総合芸術とも言うべき完璧なステージを創り出す。初見の観客は見入る他なく立ち尽くし、その世界に圧倒されることだろう。
Nine Inch Nails
トレント・レズナー率いるインダストリアルロックバンド、Nine Inch Nailsが日をまたぐ時間帯に登場。内省的な歌と漆黒のサウンドが、夏の夜を憂鬱に切り裂き、会場を塗り潰すことを想像するだけでも、ぞくぞくと被虐的な快楽が全身をほとばしる。過去にも圧倒的なパフォーマンスを見せつけて来た彼らの、新たな伝説の瞬間を目撃することになるのは受け合いだ。
My Bloody Valentine
轟音フィードバックノイズが生み出す桃源郷サウンド。通称“シューゲイザー”と呼ばれるスタイルの代表格、My Bloody Valentine。音量が大きすぎて、会場で耳栓が配布されることでも有名だが、音と人体の境界すら溶けてしまうほどの官能的なノイズに耽る体験など滅多に味わうこともないので、是非とも身を委ねて楽しんでいただきたい。ライブが終わる頃にはモノの見え方が変わっていると思われる。
電気グルーヴ
最早、日本一フロアを盛り上げるアーティストと言っても過言ではない電気グルーヴが、CRYSTAL MOUNTAINステージのトリとして、夜明けまでノンストップで盛り上げてくれる。テクノミュージックとしての多幸感から、コミック要素の強いパフォーマンス、そして少し甘酸っぱくなるような、センチメンタルなメロディまで、変幻自在な音楽が朝日とともに射し込んでくるだろう。