日向坂46、宮田愛萌復帰果たした“春の大ユニット祭り” 多種多様なマッチングで見せたグループの魅力

日向坂46“春の大ユニット祭り”レポ

 太陽の匂いを吸い込んだようなキラキラしたステージ、その裏で色んな葛藤を胸に歩んできた2年間。そんな彼女たちの明るさと覚悟を感じる2時間30分だった。

――2019年3月某日。僕は雑誌の企画で丹生明里にインタビューを行った(※1)。「けやき坂46から日向坂46に改名すると聞いた時、どう思いましたか?」と尋ねると少し戸惑いの表情を浮かべながら、当時の心境を語ってくれた。「あの日、ダンスレッスンで私たち2期生は召集されました。そしたら急にビデオを観ることになって、そこで日向坂46に変わることを知ったんです。改名の瞬間はみんな泣いてました。あまりのショックに放心状態。すぐには現実を受け入れられなくて、VTRが終わってもみんな“えっ……?”みたいな異様な空気に包まれてました」。

日向坂46
日向坂46

 それから月日は経ち、2021年3月26日。日向坂46はデビュー2周年記念配信ライブ初日公演を行った。今回は2日間の公演となり、1日目は「春の大ユニット祭り“おひさまベスト・プレイリスト2021”」と題して、ファンから各テーマ別に披露してほしいユニット曲を募り、その声を元に作成したプレイリストを披露する内容。

 天の声を務めたのは『日向坂で会いましょう』のナレーターでお馴染みの阿座上洋平。阿座上の呼び込みでメンバー全員が登場すると、キャプテンの佐々木久美が「あと1人、私たちの大事な仲間を紹介させてください」と言って、現れたのは宮田愛萌。去年11月から体調不良のため休業していた彼女はこの日、久しぶりに日向坂46として戻ってきた。「ただいま帰ってきました!」と画面の向こうにいるファンに向けて挨拶をした時、目にはうっすらと涙を溜めていた。

 本編がスタートすると、佐々木久美と高瀬愛奈による進行で最初のテーマ「大切なひとにプレゼントしたい曲」が発表された。1曲目はけやき坂46時代に生まれたグループ初のユニット“りまちゃんちっく”(潮紗理菜、加藤史帆、齊藤京子、佐々木久美、高本彩花)の「ママのドレス」。2曲目は“なおみく”(金村美玖、小坂菜緒)による「See Through」。3曲目が始まると、ステージには松田好花が1人アコースティックギターを抱えて登場した。〈あれから一年か もう会いたくなる〉日向坂46になって初めてのユニット曲“はなちゃんず”(松田、富田鈴花)の「まさか 偶然…」だった。

 2年前のブログで松田は「けやき坂46 2期生おもてなし会から始まった私たちの夢がこんなにも早く叶うなんて思ってもみなかったので、聞かされた時は自然と涙が出てきました。2人だけの曲なんて今だに信じられません」と喜びの気持ちを綴っていた。この日、残念ながら富田は体調不良でライブを欠席。彼女が歌うパートの分も松田がカバーするのかと思いきや、彼女の後ろのモニターには富田の姿が映し出され、スピーカーからは歌声が流れてきた。ワイプを見ると、宮田と河田陽菜が「鈴花〜すごい好き」「すずとこのちゃんの歌声が好き」と書いたホワイトボードを掲げていた。

 第1部のプレイリストが終わり、次のテーマへ進む前に阿座上が「先ほど大切な人にプレゼントしたい曲を紹介しましたが、日向坂46としても昨年は大切な人にあるプレゼントをしました。まずはこちらのVTRをご覧くだい」とモニターに映像が映し出された。そこには、入院している松田のために上村ひなのが千羽鶴を数えている楽屋の様子だった。活動開始から今日まで、順風満帆に日々を過ごしたわけではない。時にメンバーが休業すると、それを支え合う仲間たち。一緒に苦楽を乗り越えた2年だったことを感じられた。

 そして第2部は影山優佳と金村が司会を務めて「おひさまになったキッカケの曲」のプレイリストへ。1曲目は小坂、丹生、渡邉美穂が真っ赤なドレスに身を包みパフォーマンスする「キレイになりたい」。2曲目は再び“りまちゃんちっく”が登場し、「沈黙した恋人よ」を披露した。

 ここでメンバーも知らないサプライズが起きる。「日向坂46の活躍をいつも見させていただいてます。番組も楽しく観ていて、いつも元気をもらっているので、これからもみんなの明るさとハッピーオーラで沢山のファンの皆さんを元気にしてほしいなと思います!」と乃木坂46のキャプテン・秋元真夏から2周年のお祝いコメントが流れた。

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