Nulbarich、ずとまよ、millennium parade、Who-ya Extended……不定形で活動するアーティスト集団

Who-ya Extendedら不定形なアーティスト

 そんな不定形なクリエイター集団が次々生まれていくなかで新たに注目したいのがWho-ya Extended。2019年にアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス 3』のオープニングテーマに新人としては異例の抜擢を受け、「Q-vism」は先行配信でiTunes総合チャート1位獲得するなど、堂々たるデビューを果たした。

Who-ya Extended 「Q-vism」MUSIC VIDEO(TVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス 3』オープニングテーマ)

 さらに今年2021年には、第1期から人気が沸騰していたアニメ『呪術廻戦』の第2クールオープニングテーマを「VIVID VICE」で担当。ノンクレジットOPムービーは1500万回再生を突破している。立て続けに人気作の看板を背負い、かつその期待に応えてみせたWho-ya Extendedもまた、ボーカリスト・Who-yaを中心とするクリエイターズユニットである。

 メンバーを固定しないユニット形態をとっている理由について、Who-yaは音楽のジャンルに縛られず、曲単位で違った色を見せていきたいためと語っていた(参照:文化放送『こむちゃっとカウントダウン』2月27日放送回)。ユニット名に含まれる「Extended」は、拡大、拡張などの意味を持つ。

 3月3日には、「VIVID VICE」のアコースティックバージョンの動画も公開されている。めまぐるしく疾走感のある展開の楽曲を、ソリッドな歌声で正確無比に歌いこなしていくイメージのあるWho-ya Extendedだが、ここではアコギ一本とWho-yaの歌声のみで紡ぎだされる繊細さが際立った。素体としてのWho-yaのポテンシャルとともに、「Who-ya Extended」の形をとることでその可能性がいかに拡張していくかを感じ取れる動画ではないだろうか。

Who-ya Extended 「VIVID VICE」 Acoustic version

 新しい音楽や表現に出くわすと、つい名前をつけてカテゴライズしたくなるが、そういう受け取り方はもう野暮かもしれない。枠組みを超え次々と生み出される新しい音楽や作品を、これからは作品単体として、ありのままに楽しんでいきたいところだ。

■満島エリオ
ライター。 音楽を中心に漫画、アニメ、小説等のエンタメ系記事を執筆。rockinon.comなどに寄稿。Twitter(@erio0129)

Who-ya Extended公式サイト

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