森朋之の「本日、フラゲ日!」
Official髭男dism、DISH//、いきものがかり……ソングライターの魅力を堪能 最新5作をピックアップ
昨年11月、YouTubeの『THE FIRST TAKE FES』で約8年ぶりに“YUI”として「TOKYO」「CHE.R.RY」を歌唱。480万回を超えるに迫る再生数を記録し、再び大きな注目を集めている彼女から、デビュー15周年を記念したセルフカバーミニアルバム『NATURAL』が届けられた。デビュー曲「feel my soul」、代表曲「CHE.R.RY」などを彼女がボーカルをつとめるFLOWER FLOWERのメンバーとともにリアレンジした本作は、原曲の魅力をしっかりと際立たせながら、バンド活動で培ってきたオルタナティブなセンスを加えた作品に仕上がっている。印象に残るのは、言葉とメロディのタイムレスな力、そして、過去の自分と向き合いながら、“今”の感情をリアルに込めた歌。今もなお多くのシンガーソングライターに影響を与えているYUIの魅力を再認識できる1枚だ。
1月27日にメジャー1stアルバム『find fuse in youth』をリリースしたばかりの崎山蒼志からニューシングル『Undulation』が到着。アルバムにも収録されていた表題曲(テレビアニメ『2.43 清陰高校男子バレー部』エンディングテーマ)は、鋭利なアコギのストロークと感情とともに揺れるボーカル、そして、華やかに響くサウンドが共存するアッパーチューン。崎山のポップサイドを示す1曲と言えるだろう。カップリングには新曲「うねり」を収録。世界の悲惨な状況と〈あなたの その無垢な笑顔〉を対比させた歌、アコギの弾き語りにサイケデリックなエフェクトを加えた音像に引き込まれる。さらに叙情的なボーカルを堪能できる「夏至 - From THE FIRST TAKE」も。圧倒的な歌の力、個性あふれるコード感やサウンドメイクがバランスよく込められた1枚だ。
■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。