IZ*ONE、グループ誕生から現在までの歩み 第3回:グローバルアイドルを目指し本格始動、突然の活動休止へ

 それでもIZ*ONEの快進撃は止まらない。アルバムのヒットの余韻が冷めやらぬ5月上旬、ファンミーティングを日本武道館で開催。翌月にはデビュー初の単独コンサート『EYES ON ME』をソウルで行い(以降は台湾や香港、日本などを巡回)、6月26日には日本2ndシングル『Buenos Aires』を発表して関連のプロモーションもこなすなど、活動期間限定のグループの宿命なのか、過密スケジュールが続いていく。

 9月25日、日本3rdシングル『Vampire』をリリース。しばらくして初のコンサートフィルム『EYES ON ME : THE MOVIE』の公開スタート日や、初のフルアルバム『BLOOM*IZ』の発売日が決まり、周囲の期待が膨らむ一方だったこの時期、K-POPシーンを大きく揺るがすニュースが飛び込んでくる。

IZ*ONE (아이즈원) - 'Vampire' MV

 11月5日、Mnetの人気オーディション番組『PRODUCE X 101』の投票操作問題で、同番組の演出をしたアン・ジュニョンプロデューサーとキム・ヨンボムチーフプロデューサーが逮捕。アンプロデューサーは警察の取り調べに対し、『PRODUCE X 101』だけでなく、IZ*ONEを生み出した『PRODUCE 48』でも投票数の操作があったことを認めたのだ(その後『PRODUCE』全シリーズの操作が明らかになる)。

 だからと言って12人のメンバーに罪はない。むしろ被害者と言って良いかもしれない。にもかかわらず、事態が収束するまでは落ち着いた活動ができないと判断したのだろう。彼女たちの所属事務所は、直後に開催するはずだったイベント『COMEBACK IZ*ONE:BLOOM*IZ』およびアルバム『BLOOM*IZ』発売の延期を決定する。その後も12月に東京と大阪で予定していた「Vampire」関連イベントを中止し、宮脇咲良がDJを務めるラジオ番組『今夜、咲良の木の下で』も本人の一時的な降板を発表するなど、一気に自粛モードに突入する。

 メンバーもファンも想像だにしなかった突然の活動休止。状況が好転するのは翌年の2月まで待たなければならなかった。 

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■まつもとたくお
音楽ライター。ニックネームはK-POP番長。2000年に執筆活動を開始。『ミュージック・マガジン』など専門誌を中心に寄稿。『ジャズ批評』『韓流ぴあ』で連載中。ムック『GIRLS K-POP』(シンコー・ミュージック)を監修。K-POP関連の著書・共著も多数あり。

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