s**t kingzが明かす、表現し続ける理由「衝動や原動力は、これからも一番上に置いておかないといけない」

s**t kingzが語る表現する理由

自分たちの映像作品を残したい

ーーでは、“見るバム”『FLYING FIRST PENGUIN』について聞かせてください。全曲オリジナル曲によるダンス映像アルバムというコンセプトは、どのように出来上がったんですか?

shoji:最初からコンセプトがあったわけではなくて、まず、ソロのダンス映像を撮ろうという話になったんです。ダンス映像作品を出したいという思いはずっとあったんですけど、なかなか制作の時間がなくて。去年の自粛期間に改めて「自分たちの映像作品を残したい」と思って、まずは名刺代わりになるようなソロのダンス作品を撮ろうと。他のメンバーがどんな曲を作っているのか全く知らない状態で制作してたので、出来上がってみたら、4人中3人が白い衣装だったり(笑)。

kazuki・NOPPO・Oguri:ハハハハ(笑)。

shoji:それくらい、それぞれがやりたいことをやったんですよ。その後、一昨年くらいから存在していた「Haze」という楽曲をShin Sakiuraさん、ぷにぷに電機さんと一緒に完成させて、メンバーやスタッフと「これをどうやって残そうか?」と話すなかで、「“見るアルバム”はどうだろう」と。だから、最初から外側を作っていたわけではないんですよ。

「Haze feat.Shin Sakiura×ぷにぷに電機」 s**t kingz

ーー自分たちのダンス映像作品を残したいという思いが先だった、と。

shoji:そうですね。さっきNOPPOが著作権の話をしてましたけど、(既存の曲で踊った場合)著作権の問題で残せないことが多いんです。YouTubeにアップできても、著作権を持っている方の判断で消去される可能性もある。そうなると自分たちが踊った証が何も残らないんですよね。だったらオリジナル曲で踊って、それを盤にするのがいちばんいいよねって。

ーーソロ曲もいい曲ばかりですよね。shojiさんの「Too hard to choose feat.MARTER」はコンビニを舞台に、shojiさんの演技力とクールなダンスパフォーマンスが楽しめる作品。そしてOguriさんの「I won’t say good bye feat.KAIKI」は、ゆったりしたレゲエ調の楽曲に気持ちよさそうに乗ってる姿が印象的でした。

Oguri:いろんな“踊る”があると思うんですけど、この曲の場合はしっかり踊るというより、ゆったりノリたかったんですよね。そのうえで「ここにブレイクがほしい」「ここにアクセントを付けたい」と話しながら作って。気持ちよく見て、聴いてもらえたら嬉しいですね。

「Too hard to choose feat. MARTER」shoji
「I won’t say good bye feat. KAIKI」Oguri

ーーkazukiさんの「On my side feat.issei」は、冴えない会社員が突如、イケてるダンサーになるというストーリーがあって。

kazuki:まさに映像とストーリーが浮かんで、そこから作っていた曲ですね。カット割りも決めて、「このシーンでこういう音が欲しい」とお願いしたり。ガラスが割れる音が入ってるんですけど、それは“サエない君”が殻を破ってキザな男になる場面と合わせていて。ずっとマイケル・ジャクソンが大好きなので、そのテイストも入ってますね(笑)。自分が踊るだけなので、とにかく気持ちよく踊りたいなと。

「On my side feat. issei」kazuki

ーー(笑)。そしてNOPPOさんの「足取り feat.大石晴子」は、切ないバラードナンバー。声も歌詞もダンスもすごく素敵ですね。

「足取り feat. 大石晴子」NOPPO

NOPPO:ありがとうございます。トラックを作ってくれたヤスくん(Yasuyuki Tomiyama/tommgn)が大石晴子さんを紹介してくれて、歌詞も書いてくれて。細かいところまで何回も話し合いながら作らせてもらいました。ビートが強くなくて、ローな感じの曲で踊るのは苦手なんですよ、じつは。

ーーえ、そうなんですか?

NOPPO:はい(笑)。もともと個人的に「どうだ、すごいだろ」という感じのダンスが得意じゃないし、特に「足取り」はフワッと漂うようなニュアンスで踊りたくて。新しい自分が出せたと思います。

ーー4人の個性がしっかり出ていて、いい意味でバラバラなのがいいですね。異なるセンスを持った4人の集合体がs**t kingzなんだなと改めて実感できました。

shoji:そう言ってもらえると嬉しいですね。

kazuki:自分たちもそう思いましたね、それぞれの映像を観て。これだけバラバラなのに、よく仲良くやってるなって(笑)。

ーー(笑)。1曲目の「FFP feat.C&K」は、C&Kとのコラボレーション曲。アルバムのタイトル曲ですね、これは。

shoji:そうですね。これからのs**t kingzのアンセムになる曲を作りたくて、C&Kの二人にお願いして。SKY-HIと一緒に作った「Oh s**t!! feat.SKY-HI」は、沸々と抱いていた怒り、自分たちに対する悔しさを吐き出した曲で。その後、「これからはこういうグループになっていきたい」ということを表現したのが「FFP」だと思ってます。

kazuki:めちゃくちゃ大好きな曲だし、ピュアに楽しいと思える曲なんですよ。C&Kとは以前から少し交流があって、自分たちと似ている部分が多いなと感じていて。その感じも曲に出てると思います。

Oguri:C&Kのライブを観ると、全力でふざけてるのがカッコよくて、元気になれるんですよ。それはシッキンにも通じているところだと思っていて。自分たちも本気で遊んで、なおかつクオリティの高いものを作ることを大事にしているので。一緒に音楽を作らせてもらって、そのことをマジマジと感じましたね。

NOPPO:制作過程でも100%向き合ってくれて。自分たちが今思っていること、未来に対する気持ちをLINEでやり取りさせてもらって、それを歌詞のなかに汲み取ってくれてるんですよ。だからこそ、自分たちも気持ちを乗せてパフォーマンスできるんですよね。楽しく踊りながら、しっかり自分たちの覚悟も伝えられて。

kazuki:フリを作るのもすごく楽しくて。いろんなバリエーションの振り付けが入っていて、変化もあるし、サビはすごくキャッチー。まさにアンセムにピッタリのダンスになったと思います。

「FFP feat. C&K」 s**t kingz

ーー先ほども話に出ていた「Oh s**t!! feat.SKY-HI」も強烈ですね。s**t kingzに対する世間の先入観や誤解がテーマになってますが、それをしっかりエンターテインメイトに昇華できるのがすごいなと。

shoji:ありがとうございます。この曲を発表してから、「インタビューしづらくなりました」と言われます(笑)。

ーーおそらくSKY-HIさんも似たような経験をしていて、それもこの曲の説得力と強さにつながってるんだと思います。

shoji:そうだと思います。日高くん(SKY-HI)とは以前から交流があるし、つながりも深くて。この曲のテーマにもめちゃくちゃ共感してくれたんですよ。彼の家で一緒に作ったんですけど、日高くんから見たs**t kingzの苦しみ、葛藤みたいなものを嫌味なく、ユーモアを交えて伝えてくれて。それは彼にしか出来ないことだなと思いますね。

Oguri:自分たちに対する悔しさもあるんですけどね。「もっと先に行きたいのに、行けない」という感じが曲調やリリックに出てると思うので。

「Oh s**t!! feat. SKY-HI」 s**t kingz

ーーアルバムの最後に収められている「I’ll be there」についても聞かせてください。タイトル通り、未来に向けた意思が伝わる曲だなと。

shoji:もともとは『The Library』という舞台のために作った曲で、それまでのs**t kingzの歴史を織り交ぜて作ったんです。それを去年、改めてブラッシュアップして。過去の振り付けを取り入れながら、「ずっと一緒に進んでいこう」とダンスを通して伝えられる曲になったのかなと。

kazuki:以前から応援してくれる人は「あの時の振り付けだ」という感じで楽しめると思うし、自分たちからの感謝の気持ちも伝えられる曲ですね。まだまだこれからですけど、今までの経験も活かしながら前に進んでいけたらなと。

NOPPO:shojiが作った振り付けのなかに「海外に出て行って、いろんなものを食べて……」みたいなことを表現してるパートがあったり(笑)、自分たちにしか出来ない曲だなと思います。ここまで一緒にパフォーマンスしてきて良かったなと感じられる曲ですね。

Oguri:シッキンが初めてクラブでショーをやったときの振り付けも入ってるし、時系列に沿っていろんな踊りが反映されていて。最後のユニゾンの踊りで「みんなで未来に進む」というストーリーにつながってるんですよね。すごくハードだし、スピード感も相まって、自分たちのテンションもグッと上がるし、踊るたびに「よし、がんばろう」って思えます。

「I'll be there」 s**t kingz

ーー“見るバム”『FLYING FIRST PENGUIN』から始まる2021年も、いいテンションで進めそうですね。

shoji:そうですね。やったことないことはまだまだいっぱいあるし、「今年、どんな新しいことをやる?」って4人で話してて。悩むこともあるけど、すごく刺激的だし、楽しいですね。

kazuki:すでに控えている予定もあるんですけど、それ以外にも「何が出来るだろうね?」ってずっと話していて。今はやりたいことを実現できる状況があるし、s**t kingzを応援して、サポートしてくれる人も周りにいてくれて。すごくありがたいし、がんばってアイデアをひねり出して、おもしろいことを続けていきたいです。

NOPPO:「独裁者」のダンス動画もそうですけど、衝動的に動くことも大事だし、この4人ならそれを形にできると思っていて。不安はぜんぜんなくて、ただ突き進むのみ! という感じです。

Oguri:去年、「なぜ踊ってるのか?」「何をやりたいのか?」ということに立ち戻って考えられたことがすごく大きいなと思っていて。コロナが収束して、もとの生活に戻れたとしても、その根本の気持ちはずっと大事にしていきたいですね。

■リリース情報

『FLYING FIRST PENGUIN』
発売日:2021年1月27日(水)
完全数量限定盤 Blu-ray&CD(アスマート限定)
¥9,000 円(税抜) 
内容:豪華 BOX 仕様
1 Blu-ray(本編8曲+特典映像:尺未定)
※通常盤と同じ。
2「FLYING FIRST PENGUIN」収録楽曲 CD
(歌詞カード付)全8曲
3 貴重な未公開写真を収めたブックレット(36P) 
4 シッキンの2020年が詰まったカレンダー
(2021年1月~2022年1月) 5 ポストカード(10枚セット)
Blu-ray 映像特典
1 100分を超えるメイキング映像
2 アナザーテイク
3 「FFP」ロケ完全密着!シッキンドキュメンタリー番組企画「微熱大陸」

通常盤Blu-ray
¥5,400円(税抜)
内容:
1 Blu-ray(本編8曲+特典映像:尺未定)※完全数量限定盤と同じ
2 歌詞カード
3 ポストカード1枚
※商品仕様は予告なく変更する場合あり。

s**t kingzオフィシャルサイト

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